Melko

ビサイド・ボウイ ミック・ロンソンの軌跡のMelkoのレビュー・感想・評価

3.5
「ミックに主役は無理だった」

名前は知ってたミック・ロンソン
ブロンドの細身で渋かっこいいギタースタイル
メタラーな私的にはなんとなくランディ・ローズに被るところがあり、夭逝してたのだと勝手に思い込んでいた。だがそれでも46歳没。ミュージシャンとしては脂が乗りまくってる年齢ではないだろうか。
華々しく麗しい見た目の一方で、人を利用したり欺いたりはできず、ただ音楽と家族を愛した無骨で不器用な性格と生き方。

繊細かつ骨太なギターサウンドが持ち味
と誰かが本編で言ってたけど、ミックの音はまさにそう。細やかなんだけど力強い。
強い音は大好き
ボウイのキャリアの中ではロック期が1番好き
今まで意識したことはなかったけど、そのボウイのロック期を支えたミックの音は、私は多分好きなんだと思う。

無茶苦茶な労働環境敷いてたプロデューサー、悪いやつだなー!とか
ボウイが人間的にも音楽的にも移り気なのは知ってたけど、人に対してはもう少し柔らかくなれなかったのかな、その人の人生左右するのに、結構鬼畜だな、とか
色々感じたことはあるけど、せっかくミック・ロンソンの生涯をテーマにするなら、もう少しそれに振り切ってほしかったかな。
ボウイの音楽変遷と並走してまとめた結果、ミック本人の人生記録としてはめちゃくちゃ半端になっててもったいない。
他の方も言われてるけど、もっと演奏場面が見たかった。この作品ほんとにミックがテーマ?とすら思ったほど。

もう少し気合い入れて作ってほしかったというか、仕上がりがフワッとしてて、逆にリスペクト精神を疑ってしまった。

それにしても、ミックはギター演奏だけでなく、編曲/アレンジにも才能あったとは。
身体を大切にして長生きしていれば、アレンジャーとして素敵な作品を作ってたかもしれないと思うと、非常に惜しい。
無骨な職人は精神的に脆かったりする
どこで違ってしまったのか、自分がそんな人の家族なら、その人の人生のどのタイミングでどんな言葉をかけてあげるかな、なんて思ったりした。

出てきた人たちはみんなボウイにとってミックは絶対に必要だったと言ってて、実際いっしょに仕事した人たちだから説得力あったけど、唯一アンジーだけ出てきた理由が不明だった。あとうるさいしお顔が下品に見えて、単純に見ててあまり気持ちの良い人ではなかった。笑
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