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シリアに生まれて
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目次

シリアに生まれての作品紹介

シリアに生まれてのあらすじ

2011年以来、シリア危機によって故郷を後にした数百万人もの人々、その多くは子どもである。ヨーロッパへと向かう長く苛酷な道のりや周辺国の難民キャンプ、あるいはようやくたどり着いた見知らぬ土地で子どもたちは何を想うのか。爆撃により負傷し、家族と生き別れ、子どもとしての時間を奪われ、それでも新たな希望を胸に逞しく生きる7つの小さな命にカメラが丁寧に寄り添う。

シリアに生まれての監督

原題
Nacido en Siria/Born in Syria
製作年
2016年
製作国
スペインデンマーク
上映時間
84分

『シリアに生まれて』に投稿された感想・評価

国連UNHCR 難民映画祭2017にて。

2011年からのシリア紛争により美しかった街は灰色の一面の瓦礫に。
家族や近隣の人が空爆で命を落としたり家が焼かれたりする中、トルコへ逃げ、そこからヨーロッパにゴムボートで命からがら逃げて来た難民のうち子ども7人に焦点を当て、辿り着いたギリシャの海岸から彼らがどうなっていったかを追跡し丹念に映したドキュメンタリー作品です。

とにかく壮絶。
空爆で街が破壊され死を身近に見てきただけでとてつもない恐怖から心の傷になっているのですが、シリアから何ヶ月もかけて歩いたりボートで海を渡ったりして、命がけでヨーロッパに着いたものの、大量に押し寄せた数百万人もの難民を受け入れるのはどの国だって困難で、路上や粗末な難民キャンプで何ヶ月も過ごしたり、大好きな母親や兄弟と離れ離れになったりと、子どもがこんなに過酷な体験を強いられた事にとても悲しい気持ちでいっぱいになります。

アサドとアメリカとロシア、そしてISIS、そこにクルド人勢力も加わり大国の思惑も複雑に絡み合ってとんでもない泥沼と化したシリア。
大国は武器も売りまくってビジネスとして旨味があっただろうが、そこで街や愛する家族、平穏な暮らしを奪われた人々にとっては理不尽極まりないわけで、難民を生み出した戦争に対する憤りを感じずにはおれません。

ヨーロッパでは一気に押し寄せた難民の受け入れを巡って大混乱。
EU諸国の中でも国によって受け入れのスタンスに違いがありますが、難民を他のどの国よりも大量に受け入れたドイツですら、難民にとってはとても厳しいものがあるようです。

ヨーロッパだと言葉の壁もあるし、難民申請や住居や仕事を確保することはすごくハードルも高くて、海さえ渡れば何とかなるだろうという期待は打ち砕かれ、次々と新たな困難が待ち受けている。

そんな難民の置かれている現状を知って、自分の無力さにもまた打ちひしがれました。
毎月UNHCRに難民救済のための募金をするくらいしかできなくて、本当にもどかしい。
これだけ世界の深刻な問題となっている難民を日本ではほとんど受け入れてないという事実にも愕然とさせられます。

戦争を終わらせるために国際社会が協力し合っていく事、今いる難民に対して人道支援をしていく事が、当たり前だけどとても大事なことだと映画を見てあらためて思いました。

トラウマを抱え、不安や寂しさや恐怖に苛まれ続けた子どもたちなのに、笑顔で遊び、友達をつくり、新しく言葉を覚え、行った先の国に馴染もうとしていく逞しさは唯一の希望です。

これからは命の危険に脅かされることなく、夢や希望を持って生きて行ってほしいし、いつかは故郷であるシリアに帰れる日が来ることを願わずにはおれません。

ニュースではなかなか知ることのできない事を伝えてくれ、考えさせてくれる貴重な作品なので、一般的に劇場公開して、1人でも多くの人に見てもらいたい、知ってもらいたい、それだけの価値のある作品だと思いました。

122
カント

カントの感想・評価

3.9
国連UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)難民映画祭💡
シリア難民の子供達に未来は有るのか。希望は有るのか。7人の少年少女の目を通してシリア難民の今を伝えるドキュメンタリー。 

鑑賞後にはUNHCR協会の滝澤三郎理事長の講演あり😄

【知っておきたい予備知識】
2010年12月、インターネットやSNSの普及によりチュニジアで起きた民主化運動「ジャスミン革命」
それを契機に、北アフリカや中東で起きた「アラブの春」
それに習って、2011年3月にはシリアの独裁者アサド大統領の政権を奪おうと反体制派が動き出す。しかし軍を掌握しているアサド大統領は武力で対抗。
中東の国シリア。そこにある民族的要因と宗教と、アルカイダとISと、アサド政権を支援するロシアと、反体制派を支援する米仏英軍と、もうグチャグチャの内戦で💦国中に爆弾が炸裂!もう、こんな国で暮らしていくのは無理!とシリア国外へ脱出した400万人のシリア人をシリア難民と呼びます。

▼2015年。シリアから夜陰に乗じて、地中海からエーゲ海を抜ける不安定なタグボート。ギリシャ・レスボス島に漂着した10数人のシリア難民。7歳の少女ラナちゃんは母とはぐれたのか闇の中で涙ぐむ。

同じくギリシャ・レスボス島に着いた13歳のマルワン君。違法に入国した難民をトルコもギリシャも受け入れてくれない。父と一緒に途方にくれるマルワン君。※本作で一番過酷な道程を歩み一番良い着地をするのはマルワン君です。

ハンガリー・ブダペスト。12歳のアラスリ君と14歳のガシーム君。
なぜ今、自分がこんな境遇なのか。大人は誰も答えてくれない。その大人でさえ自分が地球のドコに居るのか分かっていない。

オーストリア・ニッケルスドルフ。8歳のハムード君は離ればなれになった弟に会いたい。
国境なんて、昔の政治家が決めたモノなのに、それを越える事がいかに難しい事か。

14歳のジハンちゃん。ドイツに居るお母さんに会いたい。スマホでテレビ電話して、お母さんの顔を見ても涙で声が出ない。画面に向かってキス💋する母娘がいじらしい。

カイス君。シリア国内で近所のガソリンスタンドが爆発して脳を損傷。父親は既に死んでいる。頭に包帯グルグル巻きのまま友達とサッカーするカイス君。叔父さんはカイス君に父親の死を知らせない。知らせればカイス君は後を追って自殺するから。

▼本作はシリア難民400万人の内、数人の子供達にスポットを当てているが、シリアから逃げられなかった国内避難民550万人は今日も爆弾の脅威に怯えつつシリアに居る。

▼UNHCR協会の滝澤理事長の解説を伺っても難民支援の限界しか見えてこない。シリア難民の子供達に未来は有るのか。希望は有るのか。
▼現在、日本国内には63名のシリア難民が居住しているそうで、本作の上映後その内の1人が登壇して挨拶しました。63名の内13名が学生で、登壇した彼も難民ではなく「留学生」として日本で勉強中との事✨
国連UNHCR協会の「アカデミック・インパクト」と言う取り組みの一環で、微小ながら日本も難民支援に尽力している事を知りました。

▼本作の子供達は、苦しい境遇なれど笑顔に溢れ、尚且つ向学心が有りました。悲観を楽観にする天性のガッツ。教育による明るい未来。
未解決だらけの難しい難民問題ですが、僅かながらの希望の光明が見え隠れする、そんなドキュメンタリー映画でした。
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.9
難民の現状とは…様々な難民たちの現状を子供目線で描いたドキュメンタリー映画。

せっかく祖国の紛争から逃れたのに苦難の連続。そしてやっと家に住むことができるようになったかと思ったら偏見、言語の壁…。

人間として耐えられない生活、戦争の傷、家族と離れ離れになった子供たち、どこへ行っても受け入れてもらえない現実。

難民問題についてわかっていたようでわからないことばかりだった。外野の問題な気がしてしまうけど全くそんなことない…

未来ある子供たちが戦争のせいでその可能性を奪われる現実を変えなければいけない。

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