やわらか

潜行一千里のやわらかのレビュー・感想・評価

潜行一千里(2017年製作の映画)
4.1
映像制作集団 空族の作品『バンコクナイツ』の撮影シーンを追ったドキュメンタリー。なので、本編観てない方には全くオススメできないと思われる。自分は本編凄く気に入って2回も観たけど、2回ともエンディングのメイキング映像に感動を覚えたので、今回あらためて一本の作品として観れたのはとても嬉しかったな。
 
これまで本編を観た時の感想としては、自分自身がそうだったこともあって「海外に住む日本人」にフォーカスしていた。けど、今回の作品を観てあらためて舞台となったタイ・ラオスの歴史や文化に関心が向いた。
 
映画の舞台となった3か所のうち、タイ東北部ノーンカーイのゆったりした農村風景、ラオスのまだ開発されていない長閑な山間の街、そのどちらにもベトナム戦争の影響が今も残ることが今回の作品でより詳しく描かれている。バンコクの夜の街での撮影シーンもとても楽しい。この辺に視点を置いてもう一回観たくなったな。
 
本編の最後のビーチ近くでガンショップ営む白人がベトナムで戦った元グリーンベレーの人だったとは驚き。でも納得のガンさばきだね。ノーンカーイやラオス撮影シーン見ると日本人の俳優さんが思いっきりスタッフも兼ねてるのね。川瀬陽太さんがメコン川の近くのシーンでスモーク炊いてた。あんだけいっぱい作品出てるのに、この人よくこんなことする時間あったなーと思った(笑)。地方ロケではほとんど一般の人に頼んで演技して貰ってたみたいね。それがまた、不思議なリアリティに繋がって(むしろ日本人の役者さんが演じてるシーンの方が芝居っぽい気がする)。
 
ちなみに、この作品が自分の2017年に観た映画の300本目に当たるんだけど、今年観た映画の中で「バンコクナイツ」は最もインパクトがあった作品のひとつだったのでちょうど良い節目になったかな。
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