ガブXスカイウォーカー

劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ! 願い!!のガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

3.1
良かったところ
・劇場版にふさわしく、テンポよく、特撮とアクションだらけで飽きないように工夫されている。
・ゲストは『ウルトラマンオーブ』からクレナイガイ/ウルトラマンオーブ:石黒英雄、ジャグラスジャグラー:青柳尊哉が出演。クレナイガイの先輩として後輩のリクを指導する頼もしさ、ライバル、ジャグラスジャグラーとの変わらないやり取りなどがいい。
・着ぐるみの歴代ヒーローたちの、ウルトラマンゼロ(宮野真守)、ミラーナイト(緑川光)、ジャンボット(神谷浩史)グレンファイヤー(関智一)、ジャンナイン(入野自由)、ゾフィー(田中秀幸)、ウルトラの母(池田昌子)、ウルトラの父(西岡德馬)が以前と同じ声優。
・沖縄ならではの美しいロケーション。
・坂本浩一監督らしく凝ったアクションとマニアックなネタが散りばめられ、その手のファンなら楽しめる。
・応援上映版では、ウルトラマンたちのバトルなどでは画面の片隅に「がんばれー」とか表示が出て観客たちに声援を強制するところ(笑)。

残念なところ
・リクが一人で戦おうと空回りするけど激戦の中で仲間たちの大切さに気づく、と言ういまさらな脚本。リクはまだ10代で未熟なところもあるけど、そんなことはTV版でとっくにわかっていたと思うけどなあ。
・ゲストヒロイン、アイル・サデルーナの死に物語上の必然性を大して感じない。
・主人公の腕の中でヒロインが死んで光の粒子となって消える、使い古されたパターン。
・ミラーナイト、ジャンボット、グレンファイヤー、ジャンナイン、ゾフィー、ウルトラの母、ウルトラの父はほとんど活躍しない。
・リクが酒場でミルクを頼んで荒くれ客どもに笑われる。映画『銀河鉄道999』のオマージュかもしれないが、ミルクなんて注文する奴いるかよ?
・主人公一行が沖縄に到着すると、沖縄市東青年会(エイサー円舞団体)が沖縄の伝統芸能エイサーを踊っている(笑)。

前年『劇場版 ウルトラマンオーブ 絆の力、おかりします!』もそうだが、やはり各ウルトラシリーズはTV版で完結していて、劇場版は蛇足と言う印象は拭えなかった(『仮面ライダーディケイド』のように完結エピソードは劇場版で、なんてパターンよりはマシか)。今作はストーリー云々よりも、後日談をイベントと割り切って楽しむべきなのかもしれない。