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人魚の眠る家のASKのレビュー・感想・評価

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
4.0
いつか観ようと思ってクリップしていた映画。

もし家族が脳死状態になったとしたら…を考えさせられる、苦しい映画。いつか向き合わなければ行けない時が来たら…と考えながら見ていたので非常に疲れた。

事故の現場に居合わせた祖母や従姉が抱く罪悪感。しょうがないと思いつつも、事故を防げなかったのかと人や自分を責めてしまうやり場のない怒りや後悔。生きていると思いたいが由に取ってしまう異常なまでの行動。それにより嫌な思いをする家族の対立。いつまでこれが続くのか…と思った瞬間に訪れる途方もない絶望感。1%に掛けたいと思う希望の光。

そのどれもが苦しくてたまらなくて、思い出した今も胸が痛い。

ある一つの出来事への解釈、反応は人それぞれだ。人の命に関わるものの影響は特に大きく、価値観の違いによる衝突は避けられないだろう。そんな時に想いを巡らせたいのは、事故にあったその人が何を望むかだ。

もし、自分が事故にあった本人だとしたら何を望むのか。もちろん、また皆に会いたい、話したいってまず思う。でも、自分のことで衝突が起こると申し訳なくなるし、みんな仲良くしてほしいって思う。人生を投げ売ってまで付きっきりにならずに自分の人生を生きてほしいって思う。

この抱いた気持ちは、少し、不幸な出来事が起こった時に僕の心に影響を与えるんじゃないかなと、心に響いた一本だ。
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