デニロ

箱根山のデニロのレビュー・感想・評価

箱根山(1962年製作の映画)
4.0
ラピュタ阿佐ヶ谷 芳醇:東宝文芸映画へのいざない(2017)にて。川島雄三と成瀬巳喜男を集中して観ていました。

コントラストの強い、焦点も深いそんな白黒撮影作品。川島雄三、死の直前怒涛のように撮っていた頃の作品。箱根の仲の悪いふたつの老舗旅館の人々の相克。その背景の中両家の男女、加山雄三、星由里子のラブ・ロマンスなどもある。R&Jを借りているのだろうか。

東急電鉄と西武鉄道の仁義なき戦いも背景に納め、なかなかの緊張感のあるストーリーを展開している。強盗慶太とピストル堤の対決をこんな田舎でやっているのです。わたしは箱根山の麓で20年近く暮らしていたので、この話は生々しい。

話はともかく、川島雄三という監督の映画作品はダイナミックでありテンポも良く観ていて面白い。映画産業最盛期の鼻息が聞こえるような贅沢な作品。

1962年製作公開。原作獅子文六。脚本井手俊郎 、川島雄三。監督川島雄三。
デニロ

デニロ