パン

オリバー・ストーン オン プーチンのパンのレビュー・感想・評価

4.3
4時間近くある大作だが観て良かった…おかげで寝不足になった。
ラストでプーチンが「君も寝たほうが良い」って言ってて自分が言われた気分になった笑

西側のマスコミが報じるプーチンとのギャップが凄かった。
彼はやっぱ柔道だけは本当に大好きなんだな。
「柔道は柔らの道。何事も柔軟に対応する。」
日本人でも目から鱗になるような師範としての言葉が出てくる。 
この年齢で水泳やら筋トレやら毎日ストイックにトレーニングしてんのも驚きだ。アイスホッケーまでやってたし。
自分で車運転してんのも意外だった。運転が好きなのか?

この作品は後世で重要な資料になり得ると思う。
2017年あたりまでのプーチン大統領を撮っててこの頃は頭の回転が速く冷静でキレ者だなという印象。
今と全然イメージが違うな。

っていうか最初は大統領断ったんだねこの人。   
ずっと一緒に喋ってたオリバーストーン監督も大統領並みに風格あるなあと感じた。 
シリアにウクライナ問題、不正やハッキングとかなり攻めた質問しまくってて凄かった。 
「不正は?」と聞かれ「他国と同じ程度には」と答えるセンスの良さw

プーチンが博士の異常な愛情を鑑賞してんのもなんかシュールで笑っちゃったな。
お勧めした映画を本当に一緒に観てくれるなんて意外と気さく…大統領は忙しいはずなのにね。割とユーモアある人物。

「アメリカは本土での戦争体験がない。だから要人は戦争をゲームと思っている。」
これは的を得た指摘だなと思った。 
まあアメリカ独立戦争や南北戦争くらいまで遡れば本土で戦った経験あるけどね。

これ観るとわかるけどプーチンは割と中道なんだよな。
リベラルに理解あるかのような発言も一応するし。
あと時々スノーデンの話題出てきたの嬉しかった。
映画のスノーデン観賞したらわかるけど日本も無関係じゃないからな。

この作品の後にウクライナ侵攻始まるわけだが…
まあやっぱりウクライナ侵攻は悪手だったな。
大勢のロシア人も死んでいったし。

戦争は良い国と悪い国が戦っているわけじゃないってことを皆もっと知って欲しい。    
ウクライナもロシア侵攻前から親露派エリアをドローン爆撃したり今でも虐殺や拷問やってるからなあ。
実際それも外国によって指摘されてるという。 

ロシア人もウクライナ人もどっちも激情的だね。元は同じ民族だし。
やっぱ激しい気性は東欧の人たちの血筋だろうか… 

結構前にウクライナ兵士が殺したロシア兵のスマホから恋人に電話して煽りまくってる動画をTwitterで見たけどあれは残虐すぎてドン引きした。 面白いと思ってネットに上げてる感性にも引く。 

日本はこの戦争に国民の血税を使ってまで首突っ込む必要は全くないと思う。日本はアジアのスイスになるべき。
実際日本政府もウクライナとロシアの正確な状況、情報をほとんど知らないというのが本当のところだろう。 
よく知らないのにアメリカ様の言いなりになって支援してるというなんとも馬鹿な状態… 

この作品に対して色々な批判があるだろうけど、そういう人こそ西側のメディアに洗脳されてて完全に染まりきってる気がするわ。
まあどっち側だろうが都合の悪い情報は報じないものだけどね。 
この作品自体も確かにプーチンは時々首をかしげるような説明もするけど、それはどこの国の大統領でもあまり変わらないことだろう。

ストーン監督はめっちゃプーチンから信用されてるよね。
普通のアメリカ人じゃまず入れないところまで入ってるんだもの。

しかしクレムリンの宮殿の内装本当にすげーな。ため息が出るわ。
芸術を通り越して神だなあの空間は。
普通にロシアって国に観光で行ってみたかった。 
今はそれも難しい…残念。 
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