イッテルビウム中田

アラジンのイッテルビウム中田のレビュー・感想・評価

アラジン(2019年製作の映画)
5.0
ウィル・スミス演じるジーニーがハマりすぎていて、名曲〝フレンド・ライク・ミー〟もヒップホップ調にアレンジされている。これがものすごく楽しいので是非聴いてほしい。

実写版ではジャスミンの女性としての強さを色濃く描いている。新たに追加された楽曲〝Speechless〟にあるように、男性優位な社会においても自立を掲げて勇敢に歌う姿は必見である。

また、アラジンも同様である。原作以上に変わらなくてはならないのは自分自身であることが強調されている。
清らかな心を持つものの、アラジンはなんだかんだチョイ悪であることは否めない。女性の扱いがうまかったり、しょうもない嘘をつく。
それでも貧しい育ちだから肝心な場所で空回るのだが、すべてをひっくり返す〝ホール・ニュー・ワールド〟が堪らない。最高だ。

本作のジャファーは窃盗から大臣にまで登り詰め王位簒奪を目論む野心家である。
アラジンにとって「魔法の力を使わずに夢(高貴な人)を叶えた男」であり、誘惑に説得力がある。アニメ版と異なりランプを直接盗むところに〝元窃盗〟の設定は活きている。

ディズニーの実写映画では絢爛豪華なミュージカル要素や多国籍な俳優陣が魅力的であるが、本作はその魅力が十二分に発揮されていると言っても過言ではない。