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ザ・ゴールドフィンチのanzのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ゴールドフィンチ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

機内にて。
8割方回想のうち壮絶な展開を繰り広げ終盤に掛けて畳み掛けるドタバタ劇にやや唖然としたものの要所要所に挟み込まれる主人公の心の震えを残酷にも美しく表現した良作。主人公の最初の居候先となるNYの高級ペントハウスに住む友人一家もアル中の父親のいるベガスの家もロシア人のボリスの家も須く機能不全に陥っている。砂埃しかない荒野の生活から始まるボリスとの交流ではドラッグを差し出された辺りからハラハラした(案の定であった)。ボリスのエキセントリックで擦れて大人びた魅力だけではなく、傷付けられたもの同士が呼応しあっていたのだ。気が弱くも教養のある旧友との心温まる交流、友人一家の母役を演じるニコールキッドマンの気高く美しい母の姿が素晴らしい。最終的に自身の居場所を見出し、母の死と「ゴシキヒワ」の絵と共に拭い去れないトラウマを抱えながらもカタルシスを迎える。
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