となりの

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデンのとなりののレビュー・感想・評価

3.5
いずれと思っていたのでみた。

とにかく画面の構成が上手く、撮影がとてもよい。
すべて、そうして描かれる空気感にあると言ってもいいくらいだ。
また、口元の演技がよく、横顔のときの表現は目を見張るものがある。

手紙は、電話などとは異なり、物として残り、それは他の誰かにも読まれうる。それゆえに、届け人がいなくても、誰かに届いてしまう。
冒頭のエピソードが予告するように、今作では、「デッド・レター」がキーになる。
「デッド・レター」が思わず届く、それは死んだと思ったひとの生き延びや再生だ。
(色々と言いたくなってしまう、デコイのようだが)

そして、その手紙が届くまでには、時間がかかる……と言ってしまえば聞こえはいいが、まぁテンポはよくない。
結局のところ、少佐の「死」に決着をつけなければならないのも分かるのだが、それは死別の引き受けられなさでしかない(生別でもない)。
そうであれば、少佐と構造上の位置を同じくするユリスの死は一体なんなのだろうか。そして、テレビシリーズのあの話はなんだったのだろうか。
要は、早逝をネタにドラマを描くことや、少佐のことが好きじゃないだけなのかもしれないが。
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