回想シーンでご飯3杯いける

みんな元気の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

みんな元気(2016年製作の映画)
3.9
原作はイタリアのジュゼッペ・トルナトーレが監督(ニューシネマパラダイスのあの人)。更にその原典は日本の「東京物語」であり、アメリカでもロバート・デ・ニーロ主演によるリメイクが制作されてる。テーマは核家族化による親子の疎遠という万国共通の題材であり、例えば「怪しい彼女」がそうであるように、各制作国のお国柄を交えながらリメイクされる、普遍のストーリーなのだと思う。

本作は、その中国版リメイクで、父親が、春節(中華圏における旧暦の正月)に実家で集まる事を提案するものの、中国全土に散った子供達は「忙しい」と嘘をついて断ってしまう。そこで父親が子供達の家に突然の訪問を企てるのだが、父親を心配させたくなかったり、自身のプライドがあったりで、子供達が嘘をついていた事が明らかになっていく。親を避ける子供と、子供を心配する親の構図は万国共通であり、その思いが、切なくも暖かいドラマを生み出していく。

本作は中国が舞台という事で、上海、マカオ等、微妙に雰囲気が違う各々の街の風景を楽しめるのもポイント。春節の時期が舞台という事で、雪や花火のシーンはとても美しい。

どうやら本作は日本公開されていない模様。現在Netflixで観られるものの、原題である「一切都好」または英題の「Everybody's Fine」で検索しないと発見できない状態で、完全に埋もれてしまっている。もったいない!