こまち

ラストレターのこまちのレビュー・感想・評価

ラストレター(2020年製作の映画)
3.8
手紙が繋いでいく物語。

手紙を書いて届くまでの緊張感、その返事を貰った時の高揚感、また読んで一喜一憂する気持ちや、過去の記憶や思い出が現在と繋がっていく、手紙が持つ力に魅了される。

映像がとても美しいし、俳優さんたちの演技にも惹きつけられる。
豊川悦司は出演シーンが短いのに、お前はあいつの人生に影響与えたのか?ってグサグサと福山雅治演じる鏡史郎を刺していくようなシーンは強烈だった。岩井監督らしい辛辣さ。
広瀬すずも森七菜も瑞々しくて可愛い。

一見突飛に思える設定や展開があるけど、無くて七癖有って四十八癖で、人の微妙に引っかかるところを抽出している描かれ方。監督のこういう鋭さにいつもはっとさせられる。

手紙は、相手のことを考えて伝えたい言葉を自分の字で時間をかけて書くから、それだけ気持ちがこもった特別な媒体。
書く機会も貰う機会も一段と減ってしまったけど、今まで貰った手紙は大切にしたいし、絶やしてはいけないものだと思った。
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