言葉少ないけど実直で、90すぎてなお知的好奇心を忘れず、娘の人生を尊重するお父さんと、明るくて社交的で家事が好きで優しいお母さん。今までの生活がままならなくなっていく、不安や憤りや焦燥感が胸に迫る。キチンとした人だから余計に抱えきれなくなってしまうのだろう。お父さんの家族に対する愛情や責任感にも、胸が熱くなった。きっとお母さんを側でずっと愛してきたんだね。
この善良な父母にして、この娘さんありなのだなぁ。と妙に納得した。
ファーザーを観た時も思ったけど、人は絶対に老いる。誰しも記憶や機能が失われていく。自分にはそれを受けとめることが出来るだろうか。
この映画はどこにでもありえる現実をありのまま伝えてくれ、自分の行く末に想像力を与えてくれる、実に意義のあるドキュメンタリーだ。
