ケイコは目がいい。本当に表情の演技が良かった。ボクシングを通して自分以外のすべてと戦っている、そんなふうに見えた。戦っている人は美しい。
あまり笑うこともなく、憤りや寂しさを抱えて生きるケイコにとって、ボクシングがどんな存在であるか正確には表現できないが、想像はできる。
人はひとり
別に私は強くない
そんなふうに言うケイコにとって、ボクシングは他に代え難い生きる糧なのだろう。会長との信頼関係は言葉が少なくても伝わってくる。
その後ケイコはどうするのか、想像の余地を残すラストには希望を持たずにいられなかった。なんであれ、彼女なら戦いながら居場所を見つけていくんだろう。余計な音楽が無いのがこの映画の良さでもあるんだけど、勝手に中島みゆきのファイトが脳内で流れたなぁ。