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Blueのmochiのレビュー・感想・評価

Blue(2018年製作の映画)
3.5
初めてアピチャッポン・ウィーラーセタクン作品を鑑賞。映画および世界の鑑賞についての映画。途中で枠が出てくるが、あの枠が我々がこれまで観てきた視点を表現しているが、その枠が出現するまでは枠の存在には気づかない。我々は世界や映画を観るとき、客観的現実を見ていると思いがちだが、常にある種の拘束を受けている。そして、枠の向こうでも火は燃えているように観てる。これはすなわち、世界や映画を観る見方は、鑑賞者の視点に束縛されるだけではなく、鑑賞者の内部にあるものである、というより強いテーゼの反映である。つまり、われわれは火を見ているのかもしれぬし、我々の内部にある火を投影しているのかも知れぬ。というよりも、その両方が正しいのである。
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