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蜜蜂と遠雷のamuのレビュー・感想・評価

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)
5.0
芸術の中でも、音楽はこと余韻が凄い。耳に残るし、音が心に残る。音楽を視覚化した映像美、登場人物たちの音楽、ピアノへの想い、、、泣きそうになりながらめちゃくちゃ集中してあっという間の二時間だった。あーー久しぶりにいいもの観た。

恥ずかしながら原作未読のため、これは読まねば!という思いにもなった。そして心から、ピアノが弾ける人生を私も送りたかったなと思った。

雨のしずく、月の光、海の波、遠雷。

…世界が鳴ってる。…

なんて素敵な表現なのだろう。
亡きお母さんとの回想シーンのセッションの尊さ、愛おしさ。お母さんが優しく囁いてくれた愛のことば、「あなたが世界を鳴らすのよ」。

雨を見て鍵盤を鳴らし、月を見てまた鳴らす。生命を感じるほど身体中で素晴らしい音を奏で鳴らす天才たちの一人一人がとてもとても尊かった。

演者も演出も皆素晴らしかったけれど、亜夜を演じた松岡茉優さん、最高でした。また好きになった。新人の彼もとても良かったし、森崎ウィンさんも他作品での印象が強かったのだけど、こんな演技もできるのだなぁと胸を打たれました。

すごく良い作品だったので正直ケチなんて付けたくないのですが、どうしてもブルゾンちえみがひっかかってしまった。役者陣のレベルの高さも相まって、下手さ(私!今!演技してます!感)が目の前をちょろちょろする感じは邪魔でしか無かったし、芸人さんてやっぱり人を笑わせる本業の顔があるから、コメディ作品に上手く溶け込むのはアリだと思うけど、こんなにも尊い作品、キャスティングもう少し(てかブルゾンだけがおかしいから悪目立ちハンパ無し)考えて欲しかったなぁ。ほかにいただろうよー。こういうスパイス要素の脇こそいい人使って欲しいよ。眞島秀和さんのキャスティングをTKO木下にしちゃったようなもんだよ。

最後にブルゾンちえみの話で終わりにしたくないので、もういっこ心に来た部分を、。

画がデザイン的で、美しかった。森崎ウィンさんのランニングシーンが秀逸でした。

あーもー、めっちゃブルゾン引っかかるけど、、、、、満点つけます!
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