タキ

ジュラシック・ワールド/新たなる支配者のタキのレビュー・感想・評価

3.6
〈ジュラシック・ワールド〉のあった島、イスラ・ヌブラルが火山の大噴火で壊滅、救出された恐竜たちは、世界中へと放たれてしまった。
あれから4年、人類はいまだ恐竜との安全な共生の道を見出せずにいる。恐竜の保護活動を続けるオーウェン(クリス・プラット)とクレア(ブライス・ダラス・ハワード)は、人里離れた山小屋で暮らしていた。そこで二人が守っているのは、14歳になったメイジー(イザベラ・サーモン)、ジュラシック・パーク創設に協力したロックウッドの亡き娘から作られたクローンの少女だ。
ある日、オーウェンは子供を連れたブルーと再会する。ところが、何者かによって、ブルーの子供が誘拐される。オーウェンはブルーに「俺が取り戻してやる」と約束し、クレアと共にメイジー救出へ向かう。
一方、サトラー博士(ローラ・ダーン)は、世界各地から恐竜を集めて研究をしているバイオテクノロジー企業の巨人バイオシンをある目的から追っていた。そこへグラント博士(サム・ニール)も駆けつけ、マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)に協力を求める。
人類と恐竜の共存の前に立ちはだかる、バイオシンの恐るべき計画とはー?
オーウェンとクレア、そして3人の博士は大切な命とこの世界の未来を守ることが出来るのか?(公式ホームページより)

https://www.jurassicworld.jp/

新旧キャストが集まっての大団円には惜しみない拍手を送る。旧キャストのみなさんがあの頃のスタイル(衣装、小道具含め)を維持しているのがまず有難い。
さて、世界中に放たれた恐竜のせいでこの世はまさにジュラシックワールドとなったわけだが、色々問題はあるものの意外と人間はそのまま生活しているようだ。ジュラシックワールドへようこそ」などと前作のラストで煽られて生物のトップにいた人間の生活はどれほど激変したかワクワクしてたのにいきなりちょっとトーンダウン。ストーリーはブルーの子(ベータ)とロックウッドの孫娘メイジーをもろとも攫われたオーウェン、クレア組と世界的食料危機の元凶、小麦やトウモロコシを食い荒らす巨大イナゴの群れの秘密を探ろうとしているエリー、アラン組の2方向から始まり、目的地となるのはイタリアにある恐竜保護区バイオシン・サンクチュアリ。バイオシン社のトップは営利目的のマッドサイエンティスト、ドジスン。部下のウー博士は白亜紀のDNAをもつイナゴを作り出してしまった贖罪のために一代で絶滅するようにDNAを書き換えるヒントを単性生殖で生まれたベータとメイジーのDNAから探ろうとしていた…二つのパーティは合流し目的を果たしたところで燃えさかる島から脱出という既視感ありありの展開で、どのシーンもどこかで見たことあるなと思わせるように敢えて作ってるような感じもある(マルコム博士が燃えるイナゴを串刺しにして恐竜の気を引こうとするシーンはジュラシックパークで同じくマルコム博士が松明を振り回して恐竜の気を引くというシーンを再現している)オーウェンとクレアがマルタ島で恐竜に追いかけられるシーンなんかはスパイ映画のような逃走劇。街に恐竜がでるとどうしてこうオリジナリティがなくなるのか…。オーウェンの不死身ぶりはさておき恐竜保護活動でさらにパワーアップしたクレアの不死身ぶりには笑ってしまう。ガタイがいいのでなんとなく説得力はある。
1番どうなるか期待していた前作で恐竜を平然と野に放ったヤバイ幼女メイジーが(オーウェンとクレアのおかげかもしれないが)フツーすぎるほどフツーの思春期の娘に育っていて、肩透かしをくらう。出自の秘密の真実、実の母親の愛を知ることで心穏やかとなり命がけで救ってくれた育ての親(オーウェンとクレア)とも和解して一件落着、となんとも薄味の仕立て。ウー博士にさらなる闇が!と期待したら一瞬で打ち砕かれてスンッとなったところで終わった。ブルーの活躍がなかったのもすごく残念。もう1人の主役たる恐竜にイマイチピントがあってなかったのももったいない。
つまりジュラシックワールド最終回は同窓会がメインだったってことになるかなぁ…それが見られただけでもよかったと思うしかない。
今回は邦題がさらによくない。ドミニオン(自治領の意)の邦題が「新たなる支配者」とは何事か。騙された感が拭えない。
タキ

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