KUJIRA

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇りのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

IMAX鑑賞

剣と魔法のファンタジー。原作がゲーム。
危ない橋を2つ渡った快作。

ハズレの可能性大。
だからなのか、パンフレット制作無し。
クリス パインとミシェル ロドリゲス出しといて。
IMAX上映しといて。

正直、私も期待していなかった。
単純に、こう言う世界観が好きだから。
ミシェル ロドリゲスとクリス パインが好きだから。
ダメ元で観たらアタリだった。

冒頭から、とにかく軽い。ひたすらボケ倒す新喜劇スタイル。
あまり笑えないが、テンポの良さを生み出しているから、これはこれで良し。

小難しい細かい設定はあるものの、そこに全く固執しない作風の為、気楽に観られる。

ゲームの世界を描けているかは大いに疑問。
でも、面白ければOK。

アクションは、カメラブレブレ細切れカットで誤魔化すと思いきや、かなり頑張っていた。
ホルガのパワーでゴリ押し。
ドリックがオウルベアで大暴れ。
ゼンクの無双振り。
ソフィーナの魔法。
最終決戦でもスピーディーな立ち回りで魅せてくれた。


モンスターのビジュアルや動きもレベルが高い。CGの合成感は無かった。


キャラは特別良くも無いが、悪く無い。若干、描写が薄い気もするが、感情移入可能な範囲。クリス&ミシェルは存在そのものがキャラみたいなもの。
エドガンのロックスターみたいに溢れ出る魅力。ホルガの笑撃の怪力。斧がカッコいい。

ヘタレウィザードのサイモンは、序盤イマイチ。力に目覚めた辺りからは良いキャラに感じた。愛嬌がある。

ドルイドのドリックが1番輝いていた。
動物に変身出来る能力に憧れる。オウルベアの強さがクセになる。魔女にトドメを刺すシーンが容赦無くてニヤニヤしてしまった。
左手に装備したスリングショットが超絶カッコいい。普通は腕を真っ直ぐ伸ばすスタイルだと思うが、腕を横にする速射タイプ。
ただ、あの引っ張り方だと、腕を引き難いから威力が出ない筈。
顔の前で引っ張れないから照準も合わない。
見た事あると思ったら、「IT」「ナンシー ドリューと秘密の階段」の子だ。
ソフィア リリス、素晴らしい逸材。

聖騎士のゼンクは、この作品のキモだった気がする。ストーリーだけの話では無く。
神話的な強さでアクションを引き締め、超絶真面目キャラで笑いを牽引。主人公達を助け、導く役割も兼務。

娘は「ガンパウダー ミルクシェイク」の子か。余り出番が無く不完全燃焼。
フォージの嘘を信じてしまったとしても、父親を信じたい気持ちがどこかにある。そんな繊細な演技が見たかった。

裏切り物フォージは、本当に嫌なヤツ。爽やかヒュー グラントが、あんなに憎たらしいなんて。役者の演技って凄い。
邪悪なキャラでは無く、悪気なしに悪い事が出来る人間を演じたのがハマっている。
やはり、悪役が作品の出来を左右する。

魔女ソフィーナの存在も大きい。如何にもヤバそうな空気感だが、どこか哀愁漂う人間臭さも残している。感情移入はしないけど、どこか憎み切れない所あり。
ミステリアスな感じで、何か事情があるのか聞きたい衝動に駆られる。
あらゆる手段で男を騙す事も出来そう。
絶妙なバランスに仕上がっているキャラクター。
たまにゾクっとする美しさを感じてしまった。

「運命は、誰と組むかにかかっている」
この作品のキャッチコピーとしては、ズレてる気がする。
「運命は、自分で切り開け」ぐらいの方が合っているのでは。
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