父が昔から好きで、何本もシリーズを見てきたが、若かった自分は
こんな身勝手、気ままな親戚いたら本当に困る!
ミツオ!ネガティヴすぎだろう!
突っ込みながらイライラしていたものだ。
「これまでのシリーズ作品のコラージュと後藤久美子で、仕上がった映画」と、認知されているかもしれないし、昭和なセリフと演出に、若い世代は違和感を持つかもしれない。
自分にとっては、
美しい言葉と所作、
老いた柴又の夫婦のお互いへの日常の思いやり、
相手を思う圧倒的なお節介、、、
寅さんの生きた時代の全てに温かい気持ちが湧いた。
「叔父さん、どうして人は生きているの?」
というミツオの問いに
「そりゃおまえ、、、」
と答える寅さん。
その答えはどんな人が語るより真実だと感じられた。
歴代マドンナの回想シーンも圧巻。
美しさと個性が放つ光が眩し過ぎた。
とくに故・太地 喜和子には感情の全てを持っていかれたように思う。
輝く明るさと笑顔、そのおおらかさに
ああ、こんな姐さんのいる街に行けるものならと、心底思った。
詰め込む要素が莫大な中で、
現代の我々に
これほど寅さんやマドンナを懐かしく魅力的に伝えてもらえたことに
とにかく感謝だ。