Zhivago

スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー/ビリー・ザ・キッド 孤高のアウトローのZhivagoのレビュー・感想・評価

4.1
ビリーザキッドがメインの話かと思ったら違った。ビリーの逃走にひょんなことから関わってしまう少年のロードムービーであった。
少年、ビリー、パットギャレットの3人を等間隔で描いていて、どこかに肩入れすることもない。(いささか少年寄りになるのは仕方ない)
実在の人物に対し、恐らく架空?の少年家族を入れ込むことで、ビリーとパットの人間模様がより立体的に浮かび上がる。
ビリーが父親殺しであるという伝承に対し、同じ父親殺しの少年を対峙させることで、ビリーザキッドという存在を内省的に描く。
もとは仲間でもあったはずの保安官パットギャレットを演じるイーサンホークの内省的で多面性ある演技もハマっている。必ずしも正義感漂うというわけでもなく、何故ビリーを追うのか理解しづらいのだが、その理解のしずらさがマンマ表現される。理解困難な多面性ある役をやらしたらピカイチなイーサンホークだけど、この役はパットギャレットの一つの範例を出してしまったのではないか。

登場人物の目線に近いカメラワークで、現実感が強い。

少年や女性がやむを得ず銃を使う。引き金を引く一つ一つに無駄がないというか重みがある。

近年の西部劇は寡作だが良いものが多い。本作は特別心を打つというほどのものではないにしても、私の西部劇のリストにはリストアップしようと思う。
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