Zhivagoさんの映画レビュー・感想・評価

Zhivago

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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

凄い映画だった。エリセ監督でしか作れない作品。しかし3時間はさすがに長い。この長さを2回観るのは厳しいな。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.6

準ホラー映画。怪奇ミステリー。宮﨑駿の地獄物語。「イット」のようなスティーブンキング作品、ウルトラセブンのような円谷作品を彷彿させる。直接的な残虐描写はないが、その直前描写はたくさん出てくる。オウムの>>続きを読む

女は二度生まれる(1961年製作の映画)

3.8

若尾文子、これほど花街遊郭が似合う女優はいない。
本作は売春防止法施行直後の料亭芸者、その内実は青線芸者のお話し。
この時代は赤線文化がまだ残っている貴重な時代。

(1974年製作の映画)

3.0

70年代の映画がたまらなく好きだ。風来坊な若者が所在なく生きていく様が他の時代にはなかなか無い。時代的には高度成長が終わり、オイルショック後がきて、日本人の価値観が多様化していくそのスタート地点にあり>>続きを読む

銀座カンカン娘(1949年製作の映画)

4.2

期待した以上に面白かった。一言で言えば「江戸の粋(いき)」が溢れている。
印象的なのは、古今亭志ん生。彼が主役なんじゃないかってくらい存在感と空気感がある。志ん生の映像はそもそも貴重なのだが、このとき
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十九歳の地図(1979年製作の映画)

3.7

40年ほど前、中学生だか高校生のとき、昼下がりの地上波テレビで観た映画があって、タイトルも覚えていないが、強烈な印象で、今の今までその映画をもう一度観たくて探していた。
その映画は、鬱屈した苦学生、大
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.0

登場人物のほぼ全員がクズ。そして現実問題としてとにかく貧しい。一番裕福そうな人々は工場労働者だ。
貧困と性産業の酷さを描くが、なぜかポップだ。イカレ具合がポップである。
これは映画館で観たほうがいいか
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

とにかく抜群にカッコイイ。特にバイクでタンデムする姿は銅像に残してもいいくらいにカッコイイ。
前作は大学生のときに観た。青春の淡い思い出だ。当時はデートには最適だけど、格好はいいけど、内容の無い映画だ
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

4.3

面白かった。テーマが同時代的でより社会的になっていて、より大人向けになっている。
シリーズの過去作はちょっと子供向きなところがあってそれはそれでよかったが、今回は子供よりも大人が楽しめる内容になってい
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

2.6

真田広之がとんでもなくカッコいい。彼のために作られた作品なのかなと思えるほど。
逆に、ブラッドピットの演出はこれでいいんだろうか?

七十七天 Seventy-Seven Days(2017年製作の映画)

4.3

好みのタイプの作品。冒険ものは好み。
チベットの無人区の映像は初めて観たかもしれない。世の中にはまだまだ大自然があるものだと。
シネマート新宿はガラガラだったけど、こんな作品をやってくれるシネマートに
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.5

前作に比べるとかなり社会派だった
ちょっとクドい、というか、カルト味が増してきたように思う
面白いんだけど、カルトっぽい。往年のソ連映画のような。つまり、きっともっと表現したいことがあるんだけど、シニ
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.5

常々シリーズものが時代を巻き戻すのは邪道だと思っている。昔話は快適だが、それでは未来性を意図的に失くしてしまうという意味で終わりの始まりになってしまうのだと。
なんとか頑張って時代を進めるシリーズにし
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永遠のジャンゴ(2017年製作の映画)

3.3

ジャンゴ・ラインハルトが名を上げた後の、ナチスドイツ下の彼とジプシーの境遇や悲劇を描く。ドイツ軍幹部を前にする演奏で、曲はメジャーのみ、ブルースやスイングはNGという約束を破って、”Minor Swi>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

2.3

地球のバランサーであるゴジラ。ヒューマンな愛に生きるコング。このコンビは反りが合わない。
合わない反りをあわせようとするから、ゴジラに愛を持ち出し、コングを正義の味方にする。
今回のコングはまるで人間
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.2

アベンジャーズ系の作品を引き受けたりしてジャオ監督は一体どこに向かおうとしているのかと不安であったが、本作を観て安心した。彼女は変わっていなかった。
アメリカ映画のリアリズムっていうと都会や犯罪や人種
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クライ・マッチョ(2021年製作の映画)

4.2

イーストウッドは茶色の空間が似合う。白い都会の街には似合わない。彼の良さを引き出すいい作品だった。
これはシアターでスクリーンで観たかったな。

007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

ラミマレックは悪役に限る。それにしても、別にダニエルクレイグを引退させるためとはいえ、ボンドを死なす必要はないのではないかと思った。過去作のように普通に引退させとけばいいのに。ボンドに悲劇のヒーローは>>続きを読む

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.5

思ったより面白かった
シナリオがよくできてると思う
細かいシナリオの芸当がうまいというか。
絶えずユーモアを入れてくるのも面白かった。

運び屋(2018年製作の映画)

3.0

愚かな男の晩年の物語。こんな人生を送りたいとは露ほども思わないが、ああ男ってこういう部分あるよなあ、と自分の隠れた性、いや隠してきた性に目を向けさせてくれる。一歩間違えばこんなような人生を送る可能性も>>続きを読む

ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

4.0

読書会の話(内省的な人間模様ドラマ)かと思ったら、ドイツ占領下の別枠のドラマがあって予想外に面白かった。
最後もお決まりだけど、イギリス映画らしさも、いつものイギリス映画という感じで安心して観ていられ
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ブラック アンド ブルー(2019年製作の映画)

3.0

思いのほか面白かった。
女性、黒人、新米、警察、麻薬、黒人アパート、アフガニスタン、今どきのテーマを巧く扱っていた。

ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

3.5

アントニオバンデラスがこんなような役が似合う役者だってことに驚いた。

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.2

とても期待できる才能を見つけることができた。ビンリュー監督。
氏いわく「明確になったことは、暴力と、暴力によってクモの巣のように広がる影響は、大部分で永続されてしまうということです。これらの問題は文字
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フェリーニに恋して(2016年製作の映画)

3.8

イタリアを舞台にした爽やかなロードムービーかなと思っていたらちょっと違った。
幻想的というより幻想そのもの。
作った人はよほどフェリーニが好きなんだろうね。

私はフェリーニは苦手ではないけど、好きと
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ラモとガベ(2019年製作の映画)

4.0

しょぱなから無茶苦茶な展開で驚く。
結婚しようとする男女、離婚しようと奔走する男、離婚を認めない役人、出家した女、距離感を取りずらい男の両親、なんだか難しい女性の弟、協力する役人。後半はその女性の衝撃
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巡礼の約束(2018年製作の映画)

4.7

前作の草原の河が、素人をキャスティングして、ライトでサッパリとした内容だったので、今回もそういうもんだろうと気楽に構えていたら、全く違うヘビーな内容で驚いた。
死に直面する妻であり母であり子供である一
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スノー・ロワイヤル(2019年製作の映画)

3.5

オリジナル版は知らない。
思いの外、面白かった。
セリフは少なめでジックリと描く。
視点がアイロニカルで、ところどころに風刺やユーモアが効いている。

単純な復習暴走ものかと思ったら良い意味で違った。

ハニーランド 永遠の谷(2019年製作の映画)

4.4

ドキュメンタリーということだが、フィクションも当然入っているはずと思うが、どこがフィクションなのか分からない。隣人の存在全てがフィクションのようにみえるが、どうなんだろうか。

自然の一部として生活す
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赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

4.7

国際経済学の授業の題材にしても良いような秀作。
ひょんな動機からウクライナ飢饉を眼にしそれを報道しようとする物語。ウクライナ飢饉のことは知らなかった。無知とは恥ずかしい。これをきっかけに当時のロシア、
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ポルトガル、夏の終わり(2019年製作の映画)

3.8

群像劇なのだけど、鑑賞後感は思いのほか清々しい。死を迎える女優を取り巻く群像だけど、悲壮感はない。かといって突き抜けているわけでもない。ポルトガルの観光地という場所柄のせいもあるかもしれない。
スッキ
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キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

3.0

キングコング髑髏島に関しては世間の評判は良いらしいが、正直、観る気は無かった。理由は、子供の頃に観たキングコング1976とその続編1986の印象がとにかく悪いから。特に1976が、ヒロインのジェシカラ>>続きを読む

スリー・ジャスティス 孤高のアウトロー/ビリー・ザ・キッド 孤高のアウトロー(2019年製作の映画)

4.1

ビリーザキッドがメインの話かと思ったら違った。ビリーの逃走にひょんなことから関わってしまう少年のロードムービーであった。
少年、ビリー、パットギャレットの3人を等間隔で描いていて、どこかに肩入れするこ
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.5

小津リスペクト、小津オマージュという作品は今やたくさんあるのだけれど、大概はその影響はありそうな感じ、という程度の印象のものが多い。でも本作は結構ガチに小津っぽさ満載だと感じる。
なので、想像していた
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ワイルドライフ(2018年製作の映画)

2.8

ポールダノ脚本監督。丁寧な手抜かりの無い表現で、理解できない唐突な部分が無かった。この人はきっと真面目なモノづくりをする人なんだなということが想像される。
表現はこれでもかというぐらい丁寧で時間をかけ
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