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世にも怪奇な物語のKUBOのレビュー・感想・評価

世にも怪奇な物語(1967年製作の映画)
5.0
何年かに1回、必ず見たくなる、私のお気に入りの映画『世にも怪奇な物語』。

子供の頃、テレビの洋画劇場で初めて見て以来、その独特なビジュアルと雰囲気にずっと魅了され続けている。

1968年公開で、先日レヴューしたオリジナルの『妖怪大戦争』と奇しくも同じ年。今日、本作を見ている時に「何見てるの?」と聞かれて「世にも怪奇な〜」と言ったところで「奇妙な〜でしょ」と言われて笑った。フジテレビがシリーズ化して何年もやっているのでそちらの方が有名になってしまったが、『世にも怪奇な物語』こちらこそが本家ですw

3部構成のオムニバス。そのどれもが巨匠が監督し、全て当時のオールスターキャスト!

第1話 の「黒馬の哭く館」では、セックスシンボルとしてのジェーン・フォンダがすごい! 「よくここまで際どい衣装を着たな」と言うほどのセクシーさ。

繰り返す炎と黒馬のイメージが脳裏に焼き付く。

第2話の “William Wilson”「影を殺した男」は、なんと言ってもアラン・ドロン! 『ジョジョ』のディオみたいな悪のかたまりみたいな男を冷たい目で演じて怖い! ブリジット・バルドーと大物同士対峙するシーンはすごい緊張感! 同じ顔の男を殺す物語、私はこれが一番のお気に入り。

第3話 はフェリーニが監督した「悪魔の首飾り」。悪魔に取り憑かれた男が、霧深いローマをフェラーリで疾走する。鞠をつく少女の不気味な微笑みとテレンス・スタンプの生首は、当時トラウマになったなぁ。

恐ろしいのにともかくビジュアルが幻想的で美しい。ニーノ・ロータをはじめとする音楽も印象的。

エドガー・アラン・ポーの世界を映画化したものでは、今でもこれが一番だと思う。

我が記憶に残るワン&オンリーとして星5つです。
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