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貞子のhibarishのレビュー・感想・評価

貞子(2019年製作の映画)
2.4
貞子3DやVS伽椰子に引き続き、貞子の同人作品(というレベル)。

3D、3D2に比べると格段にドラマ部分は良い。池田エライザも頼りない新米の精神科医師としてまあまあ合っている。
問題はそこ止まりで、世界観が「貞子」ではなくてもいいんじゃないかと思えてしまうこと。

クローゼットの少女はタダの忌み子だし、親が勝手に貞子の生まれ変わりだと言っていただけ。根拠なし。
呪いのビデオもなければ、井戸もない(映像は出てくるが関連性が謎)。

あまり評価されていないが、茉優と石田のコンビはとても良い。90分テレビドラマの王道が出来ている感(この流れは個人的に評価できるのでそこで0.5点分くらい加点)。
どうせならこの二人で物語を進めれば良かったのに。しかしながら石田の扱いは総じて雑で、残念。

弟を探す、という導入がなんとも不自然で、Youtuberとして云々は別に気にはならなかったが、それよりも姉と弟の距離感がどうにもちぐはくというか。施設育ちで唯一の血縁という設定が活かしきれていなかったように思う。
行方不明になったあたりから、もう弟を探す旅として映画を構成した方が見てる方はのめり込んだかもしれない。

貞子3Dでもそうだったが、「貞子」への無理やりな繋げ方。祠必要だったかなあ……。
弟は貞子を見た→○にいるはず、これが意味不明。日本のホラーってこんな手抜き脚本でいいの?

一応の前作である貞子3D2の失敗を踏まえて、タイトルを「貞子」にして原点回帰なりを図ったんだろうと思うけど、映像の見せ方は確かに良くなった。作り物感も少ない(祠はどうしようもないが)。
しかし、やはり脚本と設定。
池田エライザ演じる茉優がどうにも生きている人間に映らない。役者自身の魅力はあるが、キャラに魅力が無さすぎる。なんで医者(カウンセラー?)になったの何故施設育ちでなれたの、とか。
Youtuberであることを知らないくらい疎遠になってる弟を、突然唯一の家族だって思い直して助けたいと思う理由は?
どう見ても胡散臭い石田と行動を共にする理由は?

逆に言えばそういう疑問点を解消すれば(貞子はおいといて)単体としてはマシな作品になり得た。

見てる方がのっけから弟どうでもいいって思えるから結末が気にならないんよね。
まあ、あとリングとかと違って、茉優たちは貞子に対してはなんの関係も恨みもないわけじゃん。
貞子のせいだーって勝手に思い込んで突っ走ってるだけ。そこがイマイチすぎる。
妄想癖のババアもそこから貞子無理ありすぎ(佐藤仁美が何故生きてるのかとかあるけどとりあえず雑)。

少女がメリーに括り付けてた和人形とか、もうちょっと上手く使ってくれよ……。
冒頭で飛び降りたお姉さんなんだったの……結局夢?
ラストバトルも最後のシーンも、もう投げっぱなし酷すぎ。

試写会で失笑出るレベルでしょこんなの。
興行収入が3Dから3D2で半減して、VS伽椰子で少し持ち直すが、今作で微減。
次であるDXは3億とさらに半減してるわけだけども、これは映画として何がしたいのか(特に世界観として同人なのかシリーズなのか)そこしっかりと定義して、リブートさせないとダメかな。知名度が高い駄作って悲しい。
角川が出来ないなら版権他所に移してさ。

リングじゃないから原作のSFオチとは違うんだけど、ホラーとしてもどうなのよっていう。
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