みや

ナイル殺人事件のみやのネタバレレビュー・内容・結末

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

大富豪の娘リネットとサイモンはナイル川クルーズの客船を借り切り、新婚旅行のツアーを開催した。2人に誘われたポアロやサイモンの元婚約者ジャクリーンも乗り込む船内で、リネットが射殺体となって発見される。

アガサ・クリスティ『ナイルに死す』が原作。既読。
映画では2017年の『オリエント急行殺人事件』の続編にあたる。

原作で珍しく犯人もトリックも当てられた作品。逆に犯人とトリック以外をあまり覚えていないのだが、こんなに「愛」を前面に押し出していただろうか。事件の動機が「愛と憎悪」だから愛が多めに描かれるのは良いのだけれど、メイン3人以外の人物やポアロ自身の過去の恋愛も描かれて、途中で食傷気味になってしまった。
無駄に扇情的なダンスや言葉が多いのも嫌になっちゃう。この名作にエロは必要なくない?アブシンベル神殿でふしだらな行為をしたリネットとサイモンを私は決して許さない。ジャクリーン役の女優さんがびっくりするくらいに可愛いから、彼女は許そう。可愛いは正義。

原作でも前置きが長かった気がするけれど、殺人まで1時間もかかるのはやはり長い。犯人を知った上で見ると「巧いなあ」と思う伏線がちらほらあったものの、どうにも飽きてしまった。
冒頭はポアロが戦場で経験した悲しみが描かれ、結末は事件を解決しても爽快感がまるで無い。豪華客船という華やかな舞台の物語にもかかわらず、ずっと暗い気持ちになる映画だった。
その中で、お母さんと一緒に旅行をしていたブークが無邪気で癒される。癒されていたのに…。ブークの死は完全にポアロのせいでしょ。リネットにも守ってほしいと言われていたのに約束を果たせないし、このポアロは無能すぎる。

今回は悪い点ばかりが気になってしまったけれど、シリーズ3作目もきっと観ます。
みや

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