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燃えよスーリヤ!!のmeitouのレビュー・感想・評価

燃えよスーリヤ!!(2018年製作の映画)
4.9
インドの…カンフーコメディアクションですってぇ〜ッ!?!?(大好き要素大大大集合)

しかし「痛みを感じない男がカンフーで悪を打つ!」みたいな感じの映画の紹介キャプションとレビューだけ読んだらB級のニオイしかしなくて、まっっったく期待しないでネタだと思って見始めたらストーリー性もコメディ感もドラマ的な要素もめちゃくちゃに詰まってて映像演出もクッソ格好良くて意外にもドツボだった…なんだこの映画はたまげたなぁ…

クリッシュとかいう変態マスクのアメコミヒーロー風インドアクション映画みたいなB級臭のやつとはまじで全然違う結構ちゃんとしたカンフーカラ〜テアクションコメディと家族&幼馴染人間ドラマをやっているぞ!
でもfilmarksの評価はクソ低いぞ!この評価浮きすぎて心配だわ!
まあ後半のアクションからダレてきて終盤のオチ方が雑すぎるけど昔のアクションコメディ映画もアクションやるだけやってオチはこんなもんだろ的な…

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以下マイナー映画なので前半の好きなあらすじポイントを載せる(バレ注意)

・妄想癖のちょっと障害児じみたピュア過ぎる主人公が痛みを感じない理由が先天性無痛症という特殊な病気で母はひったくりのせいで生まれてすぐに死亡

・子供が障害故に父親は心配性の過保護で息子を軟禁(でも心配性なだけで息子への愛は感じる描写がちゃんとある)

・爺ちゃんはイケイケな性格なので痛みを感じないヒーローごっこ(X-MEN)にハマる息子に色々な教えを授ける(カンフー映画だと師匠ポジに近いけど爺ちゃんが教えるのは怪我の治し方と精神性みたいなところなのが独特)

・主人公のショタ時代はアクションヒーローの影響を受けまくり非常にヤンチャであったが、障害故に足に刃物ぶっ刺されるレベルの事をされる集団イジメられっ子(本人は無痛のタフネス強キャラなので一切全く気にしてない)だがそれを許さず助けてくれたのが少女時代のヒロインで、ぶん殴って騒ぎを起こして退学になっても常にイジメのターゲットなのは変わらずたった二人の世界をパワーで蹴散らし無敵に生き抜くそんなショタ時代

・しかしそんな強い女してるヒロインの父親はDV飲んだくれクソ毒親で毒親相手にはまるで反抗できない

・ヒロインの父親はカーチャンをころしたひったくりと一緒だ!と思い込んだショタ主人公は目指すべき“ヒーロー”になるべくなつかしのオールドVHSでカンフービデオなどを見まくり、その中にいた片足の身体障害を持ちながら百人カラテのマスター(百人連続で相手をして倒し切る)に感銘感化される

・そして鍛えたのち戦い(?)を挑み、目の前でやっぱりヒロインはぶん殴られるので攻撃を仕掛けたら弾みで毒親が屋上から落ちてしまう(死んでないけど半身不随に)→近所から危険視され警察呼ばれたくなかったら出ていけと反発を受け追い出される

・主人公の父親は主人公が修行しまくってたことを知り大量のビデオを壊し何てことしたんだ!と手首を縛って怒るが(縛るのは虐待というわけではなく一応無痛症だから下手に手足を出させて危険行為で怪我をさせないため)なんか自分の手に血が付いてることに気付く→ショタ主人公は縛られた手をカッターで切ろうとして自分の手首まで切れてた→あわてた父は病院へ連れて行こうとしたのか息子を抱きかかえて部屋から走り出るがテープで足が絡み抱えたまま背中から階段を落ちまくってしまう(しかし怪我しただけで済んだので良かった)

・結局引っ越してヒロインの家から離れてしまう事になった主人公はどうしてもひったくりを倒しヒーローを目指しヒロインにも会いたかったようだが、爺ちゃんに「悪を倒すのを目指すのはまだやめて、今は父親の言うことを聞いてやりなさい 修行は気付かれないように…ステルス・ニンジャだ(?)」と言われこっそりブルース・リーのVHSを渡される

・主人公はなかなかハードな軟禁状態ながら過保護な父親の言うことを守りつつ自宅で勉強、見えないところで普通なら大学卒業青年になるまで隠れてカンフーカラテ修行をしていたッ…!

・本来なら大学卒業ぐらいのいい青年になってもカンフーカラテにしか興味が無さそうなピュアすぎる主人公に爺が「もっと女の子に興味を持ったらどうだ??」とかグラビア本などを勧められるが全く興味がない主人公(実はショタ時代からヒロインのことだけずっと好きだったからだと後でわかる)

・その後父親の再婚相手と会うことをキッカケに、子供を自由にさせないなんて知られたら色々マズい…と亡くなった前妻や息子への後ろめたさでいっぱいな父親は息子をついに自由にさせる

・遂に外に出た主人公はたまたま落ちぶれた道場の夢の片足空手マスターに出会ったり、ロリ時代にマスターにたまたま出会って超絶たくましくなったヒロインと運命の再開をし…?!

・しかしハチャメチャに強くなったニンジャ級(?)なヒロイン相変わらず病気の母親の治療費のためにまたもやDV臭のする男と籍を入れることになっていて相変わらず抵抗ができていなかった…それを見た主人公はそんな生き方に口出しをするが…


と途中までのアクションちょっとしかない展開が人生トップクラスのくそどツボ要素まみれで、後半過ぎたあたりからアクション盛り展開が始まるんだけど最後のほうはちょっとダレてきてジャッキー映画とかにありがちな雑な終わり方だったのが非常に惜しいッ…!途中までかなり出来が良かったから余計惜しい
けどかなりオモロかった

コメディタッチだからとはいえ敵キャラのボスがカラテ出身なはずなのに性格小物すぎて、武器しか使わんしサムライ(インド人)とか呼ばれてた組織の一番屈強な実名不詳のイケメンマッチョが最強格だったのは草

あとヒロインの母親もかなりいいキャラしてて、DV男とヒロインがカナダに(理由が子供を作ると人数分補助が出るからそれで金が賄えるとかそういうヤバいやつ)行こうと空港まで行っていたところでうまくやるから逃げる計画立てて逃亡を勧めるのだが、そのときにDV旦那のことについて「私だって旦那が神だと思ってる訳じゃない、ただ言いなりになるのもゴメンだけど放っておくこともできないんだよ あんたは自由に生きろ」的な事を娘であるヒロインに言い、強過ぎ菩薩の風格であった…DV被害ものでこんなセリフを見るのは始めてだしそういうのもあるのか…となった

てな感じでアクション映画なのに寧ろアクションシーン始まる前の中盤までのコメディ&ドラマ描写が無茶苦茶にオモロかった…ビデオ屋のVHSから数々のオールド有名カンフー映画を持っていくシーンとかこれを作った監督だかはめちゃくちゃセッシャアジアンアクション大好きザムライに違いない……と思わせてくれるのも良かったし家族の絆とか幼馴染のヒロインとのピュアすぎる愛も良かったしカンフー映画をインドナイズしまくるとこんなになるんだな…ってな独特のインドパワー炸裂してたのも良かった ガチのアクション俳優だからか自ら歌ったりの踊りはない(最後の大事なアクションシーンにそれを自虐するネタもあってまた草)のだが、ちゃんと歌モノ音楽の要素は入れまくっており、インドおなじみの音楽の入れ方が良過ぎる そしてアクションもガチだしインドじゃないと見れないコラボすぎる…
キャストじゃなくて最初からスタントメンバーとして全員の名前が入ってるようなのでスタント=キャストってことかな
こいつはすげぇや…

あと「ルールはシンプルに…ハリウッドみたいにね!」とか言っててちょっと単純すぎるハリウッド大作映画の展開をチョケてるっぽい発言に草

そんなわけで好きな要素がモリモリのモリで点数甘々 前半の描写があまりにも丁寧でアクション演出も良かったんでアクションシーン盛りの後半終盤あたりがちょっと尺的にダレてきて雑・終わり方は他のカンフー映画よろしくクソあっさりで戦いの理由のマスターの親父の形見の件もそこまで深い意味があまり無かったのでホント惜しいッ…!!!ここらへんが良かったらマジで途中までは人生トップ10レベルにぶちこんでいいぐらいあった…
まぁ個人的にはそれぐらいツボったので気になる人は意外と面白いから観てみるといいですってな感じでドウゾ!

しっかし身体障害アクションとかやたらピュアなのとか人生ハードモードを強く生きる登場人物と話がすこなのでインド映画の中でもアクション映画の中でもトップでツボ要素まみれだったわ…バーフバリみたいなのよりこっちのがすこ

主人公や空手マスターが身体障害なんて設定今までにあったか…?!
身体障害の子供達や毒親育ちの子やいじめられっティやその他マイノリティに勇気と希望を与えてくれる可能性あり過ぎるでしょこの映画…

空手マスターの落ちぶれっぷり(カラテの成績超優秀なのに性格の悪いの双子の弟の女と寝てしまったばかりに以降ずっと道場を潰す勢いで組織に集団でいぢめられてヘナチョコになってしまっている)も完璧なやつなどいないというインド神話イズムありすぎる

作中で「ブルース・リーもカンフーは最強だったが泳げないし他の分野はポンコツだった」的な話が出てくるのでそういうのが全体的なテーマなのかもしれん

こんなニッチなインド映画を無料配信してくれたGyaoに熱烈大感謝の嵐定期


追記:主人公がスタントなしなのは当然として(スタッフロール見る限り全員スタント無し?あとあのイケメンヒゲモジャ空手マスター双子の男は本当に同一人物らしい、顔も雰囲気もまるで別人でマスターに対してまるでイケてないので全然わからんかった…)ヒロインのスプリの女優はアクション経験無しで体当たりアクションしてたらしい パネぇ
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