JohnConstantine

悪魔の棲む家 REBORNのJohnConstantineのレビュー・感想・評価

悪魔の棲む家 REBORN(2018年製作の映画)
2.2
アミティヴィルと言えば、オカルトマニア・ホラーマニアには有名な一家惨殺事件が起こった街。
その事件を映画化したもの。

ライアン・レイノルズ主演の「悪魔の棲む家」はこの事件のあとに屋敷に引っ越してきたラッツ一家のお話、という時系列。

本作はまずデフェオ家のスーパーDV&虐待親父がとにかく胸糞。
で、その長男ロナルド“ブッチ”デフェオと長女ドーンとの関わりを中心に、段々と異常をきたしていくブッチと不安定さを増す家族関係、そして不気味な怪奇現象の果てにブッチが家族全員をライフルで殺害するまでの経過を描いている。のだけれども、ブッチの行動を見ていてもあまり迫り来るものもなく、むしろ胸糞DV親父の方が存在感抜群、ブッチに寄り添うドーンもいまひとつ訴求力がない。

怪奇現象もうーん、なんて言って良いか分からない、反応に困る。

しかしながら、実際には悪魔やらなにやらに指示されて殺人を犯すなんてことはないわけで、単にブッチが未治療の精神疾患のために幻覚妄想が悪化して殺人に至ったという向きで描いているとすれば、超常現象否定派の私としてはなかなか納得の行く内容だ。

母親やドーンもブッチほどではないものの、パラノーマルな現象に遭遇あるいはそれを感じるのだが、父親が暴力で家族を支配し、息子が幻覚剤の使用から精神を病んでいくという環境であればそういうことも起こり得るかもしれない。

キャストのメイクや衣装、出で立ちは時代を感じさせるもので、特に母親はその時代感があって良かった。
一方メインのブッチはそうでもないのだか…。


というように映画としてはどこを取ってもやや中途半端な感は否めず、何を伝えたかったのかも良く分からない。

むしろこの胸糞モラハラDV親父のスピンオフが見てみたいぐらいである。

ちなみにブッチは終身刑となり、2021年に獄中死している。
そしてラッツ一家の28日間の恐怖の体験を描いた「悪魔の棲む家」はかなり脚色、というよりも多くの嘘が含まれているとのこと。家を出ていった理由は経済的な事由だそうな。
そしてラッツ家の次に入居し10年間この屋敷で暮らしたクロマティ氏いわく「本と映画のためにやってくる人々を除いて、奇妙なことは何も起こらなかった」とのこと…

まあ真実というのは蓋を開けてみればそんなものでしょうね。
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