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82年生まれ、キム・ジヨンのKのネタバレレビュー・内容・結末

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作読もうと思っていたのですが、映画の方を先に観ました。

これは原作読んだ方がいいのかな…と言う野生の勘が…そんな気がする映画でした。

他国の事を上から評価できるほど日本の女性の立場は立派ではないのですが、
敢えて感想を記録するなら
すごく日本の状況とも近くて、でも韓国の方がもっと、より大変そうだなと…

性差別で散々辛い思いをしながら、やっと得たチャンスである先輩の会社での復職を諦めてしまった、性差別は認識してストレスに感じているのに、自身が内面化している精神疾病に対する偏見によって自らが精神疾患者の就業のハードルを上げて辞退してしまう姿が一番辛かったです。
疾患の症状は薬で抑えられるし、先輩は疾患に対しての理解もあったので是非挑戦して欲しかったなぁと…
でもどうやらその代わりに文筆業を得て、しかもそれで成功しこの映画(原作)が出来た、と言うストーリーの様なので、それはそれで良かったと捉えるべきなのでしょうか。

自分自身の事を考えても、内面化されてしまった差別や偏見で自分を縛って、挑戦を諦めてしまうことは確実にあって、

後になってアレを諦めたのは結局外圧ではなく、自分自身の内部に取り入れた「こうあらねばならない」と言う縛りでそれは実は私自身の持つ偏見や差別心と密接に関わっていた、
と溜息混じりに少し時代が変わって思う事がありますし、

勿論代わりに文筆業で成功する才など逆さに振っても出てこない身には、その人生で数少ない挑戦の機会を失う場面は実に「ああもったいないことを…」と身につまされました。

ストーリーからは学歴に対する偏見もかなり滲んでいて、過酷な受験のお国柄なのかなぁと…
マイケル・サンデル教授が学歴偏重主義は最後まで残る偏見であると書いていますが、偏見と差別は姿を変えてどこまでも影の様に付き纏ってくるから仕方ないのかも知れないのですが…

読もうと思っていた原作の評判に対して、
映画の視聴後の印象はすこし違ったものだったので、若干意外でした。
両者に乖離があるのかは原作を読んでいないのでなんとも言えませんが。
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