amu

TAKAYUKI YAMADA DOCUMENTARY「No Pain, No Gain」のamuのレビュー・感想・評価

3.0
TBSドラマ「世界の中心で愛を叫ぶ」は確か2004年頃の作品だったと思うが、私はこのドラマ版セカチューの山田さん演じる朔ちゃんに頭のてっぺんまでお湯に浸かるような感覚で一気に山田孝之さんのファンになった。と、同時に綾瀬はるかさんのファンにもなったので、とにかくこの時の二人が醸す空気感に圧倒的にもっていかれたのです。この作品後、「白夜行」でも共演され、あまりにお話として二人の不運が続くため、本当に二人は一緒になって欲しいと願ったほどでした。お気に入りの男女の役者さんが、プライベートでも本当に付き合っていたらいいなぁとここまで思ったカップルは後にも先にもこの二人だけだったように思う。実際はまるで縁が無くて、共演すらなくなってしまい、残念ですが、まぁ仕方ないです。笑

山田孝之さんを初めて知ったのはそういったわけでセカチューであり、それまで夢中でときめいていた妻夫木聡さん熱がやや和らいだことと反比例するようにファンになり、何かにつけキュンとさせられていたのですが、やはり山田さん自身の転機ともいえる「クローズZERO」は、私にとっても史上最高にかっこいい山田さんで、あの作品での山田孝之がこの世に刻んだ功績はとてつもないと思っています。カメレオン俳優という呼び名は今や様々な役をこなすというか、キャスティングされれば皆そのように呼ばれるようになったなぁと思うけれど、そもそもは山田さんがその第一人者では無いかと思う。電車男が芹沢多摩雄に化けたあの変貌を、確かに今なら、演れる役者さんいるかもしれないけれど、あそこまであの時代に演れたというか、実際演ったのは山田さんだけだったし、本当に素晴らしかった。だから、あんまり気安くカメレオン俳優という呼び名を誰にでも付けないで欲しいなという思いもあります。

山田さんへの初見がヨシヒコや丑嶋だというファンが増えてきたのは時代のうつりかわりなので仕方がないというか、そういうものだと思うけど、山田さんを語るならクローズZEROを観てから語って欲しいなというのも心情。なぜなら、ヨシヒコや丑嶋は山田さんが関わったひとつの作品に過ぎなく、クローズZEROは、山田さんを変えた作品だから。本人もよくこのことは語られてますが。

で、昨今の私は、会社設立、プロデューサーやバンド、監督など、役者以外のことに尽力する山田さんをみて、好きなこと、生きる上で楽しめること!に没頭されていて安堵するとともに、(おそらく私のような初期からのコアなファンは、クローズZERO後、本気で自殺とかしちゃうんじゃないかと心配だったはず。)もっともっと芹沢多摩雄越えの役者魂を見たいという思いとで、なんだかモヤついていますが、ともかく、お子さんが誕生されてからそこまで生きることを選んでなんていうか人まで変わっちゃうことが出来るんだと、また新たな力を、パワーを、見せてもらえている気がしています。凄い人だなぁと、思います。

今作は山田さんを追った5年間のドキュメンタリーなので、特別に山田孝之さんのファンでなくても、ちょっと丑嶋くん知ってるぐらいの方が見る方が案外新たな山田さんを知れるきっかけになって楽しめるかもしれませんね。まだみていなかった「デイアンドナイト」をこの後観ましたので、また近々レビュー書きます。
amu

amu