面白かったです。
韓国お家芸のドロドロ感と気味の悪さを綺麗にして世界向けにした社会派サスペンス。
2極化されつつある(された)社会の闇と解決方法の提示がテーマかなあ。後は我々東洋人を貫く儒教思想がこの映画でも美徳として描かれます。
この映画がハリウッドでも評価されると言うことは、同じく格差が酷いアメリカでも弱者や団塊の世代(ベビーブーム世代)を見捨てず若い世代が頑張って大事にして!ってメッセージが込められてる様に感じます。
半地下住人はいわゆる下流社会ですね。この層の原因を作った一つの要因はX世代と呼ばれる1960年代生まれのベビーブーム世代です。無計画で行き当たりばったりに生きる傾向にある世代と世界中でも言われています(>人<;)その子供孫世代にあたるY世代とZ世代に向けられたメッセージが込められた映画でしょう。
「スマホは銃より強し」
普通なら銃で脅すシーンがあるのですが、今の時代銃よりスマホなんだなぁー笑
と思って笑えました。
随所に散りばめられた笑えるシーンも見所です笑
以下ネタバレ有りの考察です。
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X世代のお父さんは人が良く「計画なんて意味ない」と言い行き当たりばったりで上手く行かない事が多いです。X世代は世界中で「消費の世代」と呼ばれ日本でも老害なんて言い方で揶揄されてしまう世代です。世界中で無計画な消費や事業が行われて来たのもこの時代。Y世代の息子さんは「計画が大事」と計画して物事を上手く進めて行きます。冒頭ピザ屋の辺りも言われるままじゃなくYES butの精神で良い条件を交渉してますね。
Y世代の人は計画を持って勉強して、スキルを身につけ上流に上がって行け!と言うメッセージを感じました。
「儒教」
多分ハリウッド映画ならこの映画の父と子は激しく対立するでしょう。それが起こらないのはなぜか。
おそらく儒教思想である、「子は父を敬え」「親は子に親らしく振る舞え」と言う考えが根底にあるからでしょう。
前の家政婦さんが急に「姉さん」とか言いはじめたのも中華思想や儒教の象徴です。東洋人は何となく分かりますが、他の文化圏の方らこの辺の思想を知ってると違和感なく見られます^_^むしろ新しい考え方に映って世界で評価されたのでしょうか??
作品を通して父を大切にし続ける息子を観ると、儒教思想を大切にしているのだろうと考えます。
Y世代よ、その柔軟さと賢さで計画的にX世代を切り捨てず救ってくれよ?と言うメッセージかな。
はたまた、最後の計画が失敗するとしたら儒教やX世代を切り捨てよってメッセージ…?
うーむ。。個人的に監督は前者の考えに好印象持ってる様に描いてたように感じます。。
「金持ち」
金持ち家族は単純に現実世界における上流階級のメタファーでしょう。
脳内お花畑で表面的には優しいが下流社会の事は気にすらかけず同じ人と思っていない。。大雨の翌日、すべてを失う市民を横目に金持ち家族はパーティーをしている。しかも人に対して臭いとは…人の尊厳をなんとも思わず正に自分自身が一線を越えてしまった為社長も刺されたのでしょう。
まあ明らかに上流層を嫌に見えるように描いてますね笑
上流階級の皆さん、無敵の人を無視して自分達の私欲を肥し続けて良いのでしょうか?
「地下にいたおじさん」
いわゆる無敵の人^_^
でも半地下家族と紙一重と言うか、同じですね。
「石」
主人公が水没しそうな家から大事に持ち出す石。
これは習慣や迷信といった物のメタファーかなぁ?と感じました。石を落としたから痛手を負いますが、再起をする時に石に頼る息子は居ません。
2極化していく社会への警鐘って意味ではパージなんかとメッセージは被ります。日本で言えば万引き家族。
金持ちと貧民が2極化し、巨大な不安が圧縮されていた時代にマッチした映画です。しかし、コロナで圧縮された不安が爆発してしまった今ではこの映画が鳴らす警鐘は、警鐘では済まないでしょう…コロナ前に公開できてギリギリセーフ!な映画です^_^
民衆よ、怒れ!若者よ勉強して偉くなれ!そして父母を助けよ!って事が主なメッセージだと思いました♪
追記
絵が地下室の男の似顔絵だとすれば、主要人物全員ポスターに集合してますね!秘密の答えはポスター見た時点ですでに記してあったのですね!!
追記2
儒教的な解釈で父さんを中国、子の主人公を韓国に見立てると中国を助けれるくらい自立しようという見方にもとれるかな??韓国の自立という面だけピックアップされたのならアカデミー賞も納得ですね^_^