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犬王のniwajunのレビュー・感想・評価

犬王(2021年製作の映画)
3.8
テンポ良く進む楽しい映画でした。

人や物の名前には様々な想いが込められていると思います。多くの人にとって名は呪いとして描かれているように感じました。反面、呪いを全身に受けた犬王だけは唯一何にも縛られず生き生きとしているようでした。





少しネタバレ考察です。
自分達の作ってきた曲や名前に縛られ、兄弟子や命、自分のつけた名前すら失った友有に対し、呪いが消えるほどに個性を失っていき、琵琶法師に危険が迫ると分かった時点で全てを捨てた犬王。どちらが正しいのでしょうか。2人とも自由に選択していますね。2人の自由の対比には悩まされます。

作品全体の色つけとしてはお上批判かな?
1000年近く経った今、友魚として死んだ彼の物語が映画で語られ、犬王は友有を見つけることができたのでしょう。やはり語られない者達にスポットライトを当てる犬王のような映画は語り継いで行きたいですね。
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