たまご

家族を想うときのたまごのネタバレレビュー・内容・結末

家族を想うとき(2019年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

最後の終わり方が完璧。ハッピーエンドでもバッドエンドでもない。ただそれは日常なのだから。

来月の生活費くらいの借金。
職につきたいけど、車が買えないから奥さんの自家用車を売る。
ゴミクズみたいな職場で働いてる人は、誰もが困ってる家庭だから休みが取れない。
働けど働けど課されるペナルティ。
疲れて事故りそうになる。
トラブルに巻き込まれるお父さん。
家族を蔑ろにされたお母さんが、普段使わないような言葉で家族を守ろうとする。

優秀な息子が将来を諦めようとしたのは、家族を想うお父さんが、真面目なお父さんが落ちていく様子を見て、受け入れられない悲しみと報われない世の中への諦めからだと思う。説教中に目を合わせないのは、ただの反抗心じゃ無くてお父さんに目が当てられないからだと思う。家族が好きで、お父さんが好きな息子はきっと辛いんだよ。



監督もそういう経験して来たんじゃないかと思ちゃう。ついつい感情移入しすぎちゃうな〜、、、贅沢はしていないのに、貯金の切り崩しとクレジットカード生活。マイホームの夢を叶えて2年後、転職するには高齢のリストラ。多額な引き落とし。小さな子供を食べさせてくための清掃業とマックのバイトの掛け持ちするお父さん。働きすぎて居眠り運転で事故。食べてくために頭が痛くてもパートにいくお母さん。倒れて不随になるお母さん。やっと見つかった仕事、ゴミクズみたいな職場なのにゴミクズに慣れなかったから、真面目に働いちゃったから、殴られて帰ってくるお父さん。子供の為っていうけど、子供はただ仲良く食卓を囲みたかっただけ。お腹いっぱい食べられなくていいから、学校行きたいって言わないから、笑ってる優しいお父さんと元気なお母さんと食卓を囲んでるところからやり直したい。
たまご

たまご