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カセットテープ・ダイアリーズのmfのレビュー・感想・評価

2.5
87年パキスタンから英国への移民、16歳の青年が、差別やムスリム的な家父長イデオロギーに苦悩しながらもブルーススプリングスティーンの音楽との出会いに救われ、言葉を生業とするための一歩、米国の留学等自身なりのアメリカンドリームを叶えていく話。

「真実を基にした話」を大々的に出しちゃう作品の9割は駄作、と自論だが、本作もその9割か。正直駄作にもなっていない半端感がある。初っ端そのメッセージ出てきてげんなり。

ブルーススプリングスティーンの歌詞をスクリーンに投影させる演出や、突如として始まるミュージカル演出等、思春期独特の厨二感や初期衝動を描く為のダサい演出かと思ったが、そうでもなく、その野暮ったさは作品全体に絡っていて、観ているこちらが気恥ずかしくなってくる。ほぼ何処かで観たような演出の焼き増しな印象。
構成も、主人公主観が多く、ヒロインや友人、教師が主人公に惹かれていく様子がほぼ描かれていない為、主人公の御都合主義な展開、継ぎ接ぎになっている。
正直退屈な話のまま、最後のスピーチで嘸かし一気に観客を惹きつける演出があるかと思わせるが、イマイチピンとこないスピーチを展開、そのまま何だか良い話だったよね風な空気を纏わせてエンドロール。
何を観ていたんだ?みたいな印象しか残らず。唯一の救いは、時代背景が描かれていたこと。
単純に趣味と合わなかった。
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