強い

性の劇薬の強いのレビュー・感想・評価

性の劇薬(2020年製作の映画)
3.6
何年も前に見て以来だったけれど、信頼できる情報筋で偶然久々にこの映画のタイトルを見た。ので、ちょっと再見。

日本でここまでやれるのは凄いよな。
ストーリーとしてちゃんとブレずに「生と死」を描くのはなかなか根気がいるはず。ただのエロで終わらせないのは原作の強みでもあるだろうけれど、監督の手腕でもある。
ロケーションも良い。配電盤もビニールカーテンも最高すぎ。台詞は超クサいけれど、そこも含めて良い味が出ている。

本能が生きようとしたり何かを求めて躍動したりする事、他者を想うこと、飯をありがたく食えること。たった一度、でもとても深く傷付いた心に、劇薬だったとしてももう一度息を出来るように水面に顔を出せるように引っ張り上げてくれた事。
最悪なんて、たった一瞬/たった一人の力で反転してしまうものだ。反転して、明るい世界で、それでも背負って、背負いながら生きていく。動機なんて後から付けたっていい。だから何とか生きようって思って欲しいんだ。


あぁ、しかし、これが4年前の作品か。(現在2024年)
それでこのレビューの地獄絵図。日本の足踏みを感じざるをえない。先進国を名乗っておきながら随分と停滞を感じるわね。
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