娘二人を世界最強のテニスプレイヤーに育て上げた父親のノンフィクション作品。
原題が"King Richard"であることや、映画に対する娘のコメントから考えても、この作品の主人公はあくまでウィル・スミス演じる父親だと考えて差し支えないと思う。
世界トップクラスのプロスポーツ選手と呼ばれる人は、才能があるという以上に、往々にして子供の頃からかなり計画的に育成され、優秀なコーチに付きっきりで指導されている。
作中の父親リチャードは非常に論理的で、とにかく世界一になるために必要なことは何でもやる、将来に必要でないことは一切やらない、今後を見据えてスポーツ以外の教育もきちんと重視する、ということで、丸刈り！走り込み！球拾い！上下関係！みたいな、どこかの国の学校で行われがちな謎の根性論指導の少年スポーツとは全然違う。
貴重な学生時代を根拠薄弱なスポーツ指導で色々犠牲にして得たものが、マイルドヤンキーとして暮らす長い長いブルーカラーもどきの社会人生活じゃ意味ないわな、、、ということを非常によく感じさせられる。
本当に勝つためにスポーツをやるならどうすればいいか、そのための指導とはどうあるべきかということが分かる。
映画の中のことがどのくらい正確かはわからないものの、セリーナとヴィーナス曰く極めてリアルに忠実な作品とのこと。
ただ、割と長尺なのに、ヴィーナスと世界チャンピオンとの初めの一戦までしか扱えていなかったので、全てを包括した映画にするには流石に色々と足りなかった感が。。。
