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ゴッホとヘレーネの森 クレラー・ミュラー美術館の至宝ののんchanのレビュー・感想・評価

3.8
一時期、フィンセント・ファン・ゴッホにハマり、本を読み、映画や関連作品を貪っていました、これは6本目。

オランダの富豪で個人収集家のヘレーネ・クレラー=ミュラーはゴッホに惹かれて作品を収集し続け、2000点以上あるゴッホの作品のうち、300点もヘレーネが手にして美術館まで設立している。
因みに、クレラー=ミュラー美術館は「種まく人」「夜のプロヴァンスの田舎道」等を所蔵している。

この作品は、女優のヴァレリア・ブルーニ・テデスキがナビゲーションし、そのコレクションとゴッホの手紙を通して2人の人生をキュレーターや専門家、美術館館長のインタビューで紹介するドキュメンタリー。

ヘレーネはまるで妻か修道女のようにゴッホの作品への愛を持ち評価しリスペクトしていた。
裕福な家庭に生まれ、結婚し子供4人を育てているが、身を持ってゴッホに生涯を捧げた人物だった。
ヘレーネはゴッホに生前に会うとことはなかったが、美術館を建てた1938年のその1年後に亡くなった。棺はゴッホの絵画の並ぶ美術館の部屋に置かれた。今はその場所で共にいるのでしょう。
オランダの美術館へ行ってみたくなった。

ゴッホは美術学校へも通っていたたことがあり、絵の基本である"素描"がとても得意。その延長線の色のない線だけの作品も見られる。
しかしゴッホらしい。ヌードを描くのを嫌い、洋服を着た農民たちを描きたくなり退学したそう。
そんなエピソードを知れただけでもまた一つゴッホのシャイで自然に目を向ける一途さを感じられた。

観たことのない絵も何枚も出て来て目の保養だった。
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