一人旅

呪いの館の一人旅のレビュー・感想・評価

呪いの館(1966年製作の映画)
3.0
マリオ・バーヴァ監督作。

イタリア恐怖映画界の父マリオ・バーヴァが1966年に撮ったホラー映画で、村人が不可解な死を遂げる片田舎にやってきた医師らが事件の解明に挑みます。

村人たちが次々に不自然な死を遂げているイタリアの片田舎を訪れた医師や担当警部らが、事件の真相を突き止めるべく調査を進めていく中、やがて20年前に無残な死を遂げた少女と一連の事件との関係が浮かび上がってゆく…という怪奇譚で、辺鄙な村で起きた連続怪死事件を巡る真相究明サスペンスに死んだ少女の怨念というホラーの融合で魅せていきます。

いわゆるジャンプスケアと呼ばれるハリウッド型の恐怖演出ではなく、少女の亡霊の不気味な気配と確かな存在感で観客をじわじわ怖がらせてくれる職人気質のイタリアンゴシックホラーとなっています。村人に恨みを持つ少女の亡霊に目を付けられると死が迫ってくるというシチュエーションが論理性のある恐怖を体感させてくれますし、安易に亡霊の全貌を映さずガラス窓に手だけを映すといった細やかな恐怖芸当が不気味さに拍車をかけています。
一人旅

一人旅