狂った世界で純粋に生きると狂ってしまうという映画
戦争においてモーニングナパームが好きになれてサーフィンをするためだけに植民地化できる狂った人間の方がマトモでいられる
欺瞞的で良い人間であろうとする弱くて都合の良い人間の方が戦争においては正しい狂い方だったのかもしれない
一方で狂った世界の中で良心を捨てきれなかった大佐の狂気の質は中佐とは対照的なものとなってしまった
戦争の狂気とは善人であろうとする人間には地獄の苦しみを与え、偽善者であることに吹っ切れた人間には虚無が待っているところにあるんだろうなと
カーツ大佐の理解者となりうる主人公は、優秀エリートなカーツ大佐と違いそこそこのエリートではあるものの戦争中毒者であり任務とあらばなんでもやるというカーツ大佐のような純粋であろうとする思想をあまり持ち合わせていなかった
だからどちら側の狂気にも冷静でいられたのだろうな。狂気の中立点