とやさわかのい

WAVES/ウェイブスのとやさわかのいのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.5
前提情報無しに鑑賞
360度や人の動きに合わせたカメラワーク
マイアミという場所の景観、と織りなされる映像が魅せるコントラスト
劇中に挿入される音楽
五感を揺さぶられる「体験」ができるという意味で劇場で観るべき作品だと思う。

WAVESと付けられたタイトルについて考えると
それは登場人物の心模様を表しているのでは?と感じた。
物語はタイラーとエミリーを軸に展開されるが、愛に関する様々なテーマが散見され登場人物たちの発言にも「分からなくはない」と思えてしまう。

誰もが「愛」という答えのないものについて迷い苦悩する。
出来事だけを捉えると「クソッ!」と言いたくなるような描写ばかりだけれども、そんな風に悩めるから人間だし、人生は奇妙なものだと言われているような感覚。

心というものは自分でも他人でも語り得ない、けれど対話を重ねることで少しその片鱗がじわりと見えてくる。
「心」は押しては引く波のように移り変わりが激しいものだと、
「対話」=寄り添うことの大切さを教えてくれるような作品だと感じました。
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