ジョー

グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇のジョーのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

地方に妻子を残して、独りは寂しいといい歳の男が流されて浮気三昧するのを子どもに会いたいから身綺麗にしようと偽の妻を雇って愛人たちに別れてもらおうとする何をどう甘く見てもどうしようもないくだらない男の話が始終し、一体この男の何がよくてキヌ子さんはあんなロマンチックな気持ちになったのか?キヌ子さんならもっといい男がいるから!惚れたか絆されたか曖昧な主人公田島のために借金してまで墓を建てたせいで身売りみたいになっているのも、そもそも2人が唯一それらしい接触を持ったのが金をケチろうとした田島が酒に任せて無理強いしようとした、このクソみたいな最低の暴行である。キヌ子さんが逞しくて金のためにさっぱりしているからかろうじてコメディだが暴行未遂をしといて、それも愛人相手にも毎回毎回流されて手切れ金一つで片をつけようとする上に、愛想の尽きた妻に捨てられると自己弁護に走る。こんな虫の好かない浮気男なんてキヌ子さんにも他の愛人たちにももったいない。ただし時代的な社会規範が今より強かっただろう昭和の男よりこういう気の弱い女に甘くて優しい男になびきたがる心理もわからないではなかった。疲れたといえば足を揉んでくれる田島の人となりがよかったんだろうと最後のあたりでやっと好かれる人となりが出てくる。奥さんと愛人方がこざっぱりして恨みつらみも持ってないのがそういう恨みづらい男だったんだろうとは思わせられる。それでも金を払えばいいだろうって東京で何人も愛人作って責任転嫁する田島はやっぱりキヌ子さんにはもったいねえな!
十人かいると言っていた愛人は結局三人で終わり、この愛人たちとの別れくらいまでがおもしろかった。もうちょっと愛人たちの別れ話があればよかったのに。

キヌ子さんの昭和モダンの衣装がよかったですね。つまりはこの映画でいいところは小池栄子です。
ジョー

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