KUJIRA

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

IMAX鑑賞

前作に比べてトムの顔が綺麗になった。
前作は、増えたシワが気になって集中出来なかった。
今作は、減ったシワが気になって集中出来なかった。


ヤバい兵器を悪い奴らに渡さないシリーズ最新作。
小難しい設定に理解が追い付いていない気もするが、要はAIの暴走って事なんだろう。

それが潜水艦発進なのが、あまり面白いとも思えず。
敵の正体が分からず、最後の最後で潜水艦ってオチの方が良かった気がする。

イルサが序盤、単独行動で鍵を手に入れたりしているが、イーサンとの関係性を考えると、真っ先に知らせそうに思う。
実際、すぐに共闘するのだから。

イルサ死んだ説が下手くそ。
あの重要キャラが、死ぬ瞬間も顔も見せない訳が無い。


敵なりAIなりが、何でも思い通り、と言う話が苦手。
大概、敵優勢時間がダラダラ長い。
終盤、予測不能な要素が発生して流れが変わる。
もう、それしかパターンが無い。

今作に至っては、「何秒後に飛び降りれば、下にトラックがあって逃げられます」みたいなおかしな描写が目立つ。
電車のどの位置にいて、何キロスピードが出ていて、どのぐらいの高さで、そんな所は計算出来よう。
では、飛び出す角度や蹴り足の力は運任せなのか。

ヒロイン、で良いのかな、グレース。
何あれ?
何であれを助けるの?
何で仲間に迎えようとするの??
あんなの助ける為に、イルサが犠牲。
悲劇でしょ、って泣けない。
脚本家や監督、製作者に怒りしか湧いて来ない。

何故イルサが命掛けで守らねばならんのか。
グレースが重要人物?重要なのは鍵であってグレースでは無い。
グレースが助けたくなる人物?いやいやいや、真っ先に痛い目見て欲しいキャラ。
それでも助けるキッカケになるエピソード、皆無。

だから感動しない。
泣けない。
無駄死に。

あのキャラが死んじゃうって煽って助かる。
でも、最後に結局死ぬ。
このパターンが最近異常に多い。

グレースは、イーサンが味方してくれているに、自分だけ逃げ出す。ただ、逃走するだけなら同情の余地はある。
セクハラ冤罪とか、ハンドルに手錠を掛けるとか、いちいちイーサンをピンチにさせる性格の悪さ。何回も何回も。
確かに美人だけど。
けど?

何も咎めず、優しい眼差しで仲間に誘う一味。ルーサー、ベンジー、イーサン。そんなんで、騙し合いの世界をよく生き抜いて来たな。

ホワイトウィドウは、もっと危ない魅力を放つ複雑なキャラクターだった筈。
何かただのペラペラの子悪党に成り下がった感。

敵の女が、何処かで見た事あると思ったらポムさん。
癒し系マンティスからの振り幅が凄い。
マンティスも結構ハードなアクションこなしていたから、そこは想定内として。
顔芸が凄い。
悪い事して楽しんでますって顔。
上手く行かなくてブチ切れてる顔。
実は良い奴だぜって顔。

インパクトあるだけに、惜しい描き方。
イーサンにトドメを刺されなかったから助ける。説得力が弱い。急いでたし。
例えば、落ちそうになった所を助けるとか、他の奴にやられそうな時に共闘したとか、イーサンに一目惚れしたとか、何か伝わって来るものがあれば感情移入出来て面白さが倍増するのだが。

敵のオッサンが唐突に刺す。
「お前は裏切るから」いやお前が裏切らんかったら分からんかっただろ。

プロが胸を刺したのだから、おそらく致命傷。
それが、終盤に落ちそうになったイーサンとグレースを引っ張り上げる。
何処にそんな余力が。


イルサのアクションが少なかったのが残念。
狙撃シーンはカッコ良かった。
終盤の刀はイマイチ。
何か振り付けっぽさを感じた。
何よりも間合いがオカシイ。
刀とナイフで戦ってるのに、わざわざ相手の懐に潜り込む。
何故リーチを活かさないのか。
体が触れる程の近接戦闘に刀は向かない。
それはナイフの間合い。

グレースかイルサどちらかが死ぬ。
そんな煽りも下手くそ。
ここでグレースが死んでも、だよね、としかならない。


映画にありがちな、ハッキング仕掛けた側が万能、と言う展開に飽き飽き。

今回に至っては、デジタルで何して来るか分からない相手。
前半はともかく、イルサがやられる辺りでは対策取ってないと。プロなんでしょ。

崖からバイク毎飛び降りるシーンが、本当のクライマックスだとは思わなかった。
毎度、事前に見せまくるよりも凄いアクションを入れて来るシリーズなのだが。
今回はCMで出し過ぎ。

飛び降りて電車の屋根に着陸するのかと思ったら、電車の壁ぶっ壊して乗車。
あれじゃあ人体がぶっ壊れる。

逃げる時の車がショボい、そんな展開が近頃多過ぎて笑えない。
露骨な笑いの取り方に嫌悪感すら覚える。
ただ、今作の黄色いフィアットは走りが良いので、最終的に許す。あれは電動なのかな。


電車が落ちて行く一連のシーンは圧巻。
所々CGっぽさが出ていたけどハラハラした。
今思えば、前作のヘリが落ちそうなシーンに似ているかも。

グレースがIMF入り宣言する所は良いシーンだった。
だけに、そこまでの描き方よ。
この人、エージェント カーターなのか。

鍵が二つある設定が全然活かせていない。
だって、中盤以降ほぼ同じ場所にあったから。
鍵の奪い合いが目まぐるしいのに、全然緊迫感が無い。
KUJIRA

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