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ファースト・カウのotomのレビュー・感想・評価

ファースト・カウ(2019年製作の映画)
5.0
夕飯が焼肉だったので、ケリー・ライカート新作を敢えて今日観る。開拓ものって事で、荒野にて水辺を求める『ミークス・カットオフ』の風景とは異なり、スタンダードサイズでオレゴンの川を含めた色んなシーンをパンしまくる。一言で云うと、全てが新しく歴史が始まる場所、もしくは時代の見渡す限り何もないって云う豊穣さに尽きる(※そう見える人にはと煽ってる感もある)。他人に手を差し伸べ、ソローの様な小屋で生活し、決して友を裏切らないって云うのをアフターの現代から問う素晴らしい作り。『オールド・ジョイ』の都会には木が多くて、田舎にはゴミが多い的な発想に通ずる。そして過去作同様に色々登場するアニマル達との本当の意味での関わり方や提案の熱い心も静謐な映像から伝わってくる。傑作。
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