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雨月物語のkikuのレビュー・感想・評価

雨月物語(1953年製作の映画)
5.0
雨月物語(1953)
羅生門からの流れで、京マチ子目当てで観た。観る前はロマンチックな恋愛時代劇かと思ったけど、ファンタジーぽくて、「大人のまんが日本昔ばなし」の様で。でも戦で起きる酷い事に畜生って気持ちになり、欲に目が眩むと大切な事を失い、気付いた時には過ぎた後みたいな教訓を得る感じで。観て良かったし、
田中絹代が良くて、びっくりした。京マチ子と対象的だったし、田中絹代のファンになった。この映画の彼女は日本人が思う理想の奥さん像なのかも知れない。つつましく暮らせれば充分なんて思っていたのに、可哀想な事になるからやり切れない。森雅之のダメ夫ぶり、羅生門でも情けない夫だと思ったし。
京マチ子の怪しさ満点の色気。こんなんだったら、そりゃ男は狂ってしまうかも。
夫の船出を見送る田中絹代の場面で「気を付けてくださいよ~ご無事でね~」「おとうちゃ~ん」のセリフを聞いてびっくりした。
このセリフはTHE BOOKSのTOKYOという曲でサンプリングされていたセリフだった。いや~面白い。
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