韓国版の『ベテラン』を先に観ていて、あ、これリメイクか!と途中で気づく。
それよりリアルだったのと、勢いがあってこの作品が先かと思って情報を見たら、こちらの方が後だった。
個人的に中国版の方が好きになった。韓国版と違いエグすぎるシーンはカットされており、アクションシーンは韓国武術とはまた違う、動きの長さと重みを感じるテイストだった。
『ベテラン』ではごりごりに骨が折れる効果音などを駆使しているが、こちらではそれがない替わりに、役者の動きをほぼ止めずにカメラが捉えきれなくてもお構いないくらいの勢いでアクションしている。
スピード感、筋書き共に『ビッグショット』の方がよりリアルでキレがあり、ストライクが重めで好きになった。
なんせ主役のソンさんが、中国版三島由紀夫(晩年の鍛えていた時の)みたいで。
三島ファンとしては、これはもう韓国版松重豊ことファンジョンミンを差し置いても、好きにならない訳がない作品となりました。
クライマックスの、問題だらけで追い詰められた刑事たちに捜査権を与える理由が、『ベテラン』での「婦人強姦事件の捜査」と替わって本作品では「麻薬事件の捜査」となり、上司が“勝手にやれ”スタンスではなく“こうなったら意地でも引きずりだせ!”精神でいったところが格好よかった。
三人野郎が揃ってパンツ出して傷自慢するところが、ちょっとしたサービスシーン。
音楽の使い方も巧くて、メリハリがあった。
絶対絶命くらいのアクションの時にワンブレイク入れるあの感じ、巧いですわ。
『特別捜査』のアクションシーンでもそうだった。魅せるだけ魅せたら、あとの件はキレよく省く。
激しくて視聴者が疲れそうな時にワンクッション入れる。その辺のタイミングが超センスよくて感服。イケてるわあ。
また一人、役者と監督を大好きになりました。