鰹よろし

アンデッド・ドライバー 怒りのゾンビロードの鰹よろしのレビュー・感想・評価

1.5
 変異まであと〇〇時間、ゾンビに噛まれた父親がまだ幼い娘を救うべく、風の便りに聞いた安息の地を目指しハンドルを握る...

 主人公の独白に始まる物語はその心情吐露然り、全て人間の行いに関してがメインであり、ゾンビ及びそれに伴う被害は人間に起因するものとして描かれている。ゾンビという結果から原因となる人間を見つめるお話だ。

 ゾンビとの戦闘などとは無縁な、絵を描くことが好きな純真無垢な少女がこれから先どんな世界で独り生きていかなければならないのかとする暗雲は理解できるし、

 もう一緒にいられる時間が少なく、この手で守ってやれないという焦りや悲しみから、少しでも多くのことを娘に伝えたい残してやりたい、しかしどれだけのことをしても不安や心配は拭いされない父親の感情へも寄り添いやすくはあるんだけど、

 今回の事態に陥るまでに父と娘の間で築かれているべきだろう何かしらが見えにくく、どうも唐突というか付け焼刃というかその場しのぎというか行き当たりばったりというか、全てがゼロからのスタートに見えてしまうところにちょっと難あり。

 タイムリミットが無ければ成立しない物語ではあるんだけど、この父と娘の関係を描くに当たってはもっともっと2人の時間の積み重ねを意識する必要があったと思う。

 あと人間の汚い面にアプローチしながら、信じる信じないの線引きがかなりドライなのも気がかりだったかな・・・

 あとそうだ、ドライバー要素よね。ラストは娘が車を受け継いでゾンビを薙ぎ払いながら爆走していくのかと思ったけどそうでもないし、う~む。


「クワイエット・プレイス」シリーズ...「ザ・ロード」(2009)...「ザ・ウォーカー」(2010)...「コロニー5」(2013)...「サバイバー2024」(2021)...
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