ごろちん

由宇子の天秤のごろちんのレビュー・感想・評価

由宇子の天秤(2020年製作の映画)
4.4
真実を暴く側が反対側に転じた時に露呈する心の弱さ。春本監督は人の葛藤を描くのが上手い。全てを吐露しようとするのは正義か良心の呵責か、それとも。

信念は重い人もいれば軽い人もいる。負の選択を迫られた時、人は自分の信念と保身を天秤にかけて傾いた方に行動する。天秤が保身の方に傾き始めた時、浮いた信念に良心の呵責という新たな錘を載せてみる。するとまた新たに均衡が生まれる。この作品はそんな絶妙なバランスを保ちながら進んでいく。

感情を煽るような劇伴は一切無し。なのに天秤の行方を固唾を飲んで見守るから常に緊張しっ放し。あっという間の152分間だった。


ラストシーンについてはコメント欄で↓
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