このレビューはネタバレを含みます
生まれながらに病気を抱える娘と献身的に支える母親という構図の話から物語ははじまる。ある日、見慣れない薬があり違和感を覚え始める話。
代理ミュンヒハウゼン症候群の狂気を描いた作品だが、そもそも本当の母親ですらなく、子供を産んですぐ無くなってしまった母親が別の赤ちゃんを連れ去って育てていたという2段構えの狂気を描いている。
音響、映像ともにクオリティが高く最後まで気の抜けない展開は飽きることなく楽しめる。
幽霊は出てこないが人の狂気を描いており、演出もサイコホラー作品。
役者の演技も鬼気迫るもので見入ってしまう作品。
容赦なく銃ぶっぱなすのは流石海外。
娘役の車椅子捌きは相当練習したのが分かるほどキレッキレで素晴らしかった。
ラストで復讐に走る主人公だが、エレベーターの中での母親の「そして心の奥底ではあなたも私を求めてる」というセリフが母親から離れるのではなく復讐という形で求めていることの暗示だったのか、考察が好きな人はさらに楽しめる作品だと感じる。