このレビューはネタバレを含みます
上陸したことはないけどもちろん知っている飛島、酒田からよく見ていた。
この映画の時と今ではまったく状況が違うだろうけど、東北の質感がよく出ていた。侘しいとか寂しいとかじゃない、朽ちてゆくひとつの集合体を、ちょうど植物の目が育って枯れるまでを早送りでみたような、自然の摂理が描かれていて、むやみに侘しさを強調しないところが良かった。
島はそりゃあ人がいなくなっていくだろうし、老人たちが新しいことをするわけでもなし、朽ちてゆくのみのように思えるが、移住するっていう酔狂な人たちがいることにびっくり。
とはいえ、なんとなく行きたくなってしまう気持ちもわかる。島ってなんかそういうのあるよね、「ぼくのなつやすみ」的な感覚だったり、自分の好きにできる範囲が増えるとか。陸続きだったらこんな発想にはならない。
観光資源がないのに、よくイカ漁だけで暮らしていけるよ。外貨獲得が漁業だけではあまりにも先細りだ。
しかし合同会社とびしまのやり方は理にかなっていて、3ヶ月外にいることによって空気を変えていこうという目論見、いいと思う。あんな島にずっといたって新たな老人候補になっていくだけだって。
わたしの考える将来の飛島は、、リゾートまでとは行かなくても、夏の間だけ人がいる島になるのかもしれない。いいと思う、それで。
新くんが島に戻ってきてもいいし、戻ってこなくてもいい。居たい人が居たい時にだけいればいいんじゃないかな。飛島の文化はさぞあろうが、他ならぬ島民が戻ってくるな、と言っているようでは島起こしには繋がらない。もちろん、産業を生み出す力が飛島にはないからだろう。
無人島になったとしても、キャンプ場ができたりして、悪くないんじゃないかな。
それにしても庄内弁、、年寄りの話すのは発音が悪すぎてネイティブのわたしでも字幕使わないとムリ〜