ヒロオさん

島にてのヒロオさんのレビュー・感想・評価

島にて(2019年製作の映画)
3.8
山形県唯一の有人離島「飛島」。人口140人のこの島の、平成最後の一年間を記録したドキュメンタリー。

佐渡に住む身としては見逃せない!
実は佐渡島と飛島には繋がりがありまして…
佐渡の北端に「大野亀」という景勝地があり、毎年6月になるとトビシマカンゾウという花が辺り一面に咲くのですが、その花を見れるのは全国で佐渡島と飛島の二ヶ所だけなのです!(皆さんも是非佐渡へ!)
しかも飛島は、私が新婚旅行で寄った酒田から75分で行ける島。
これは観るしかない!

実際に見てみると、佐渡とは比べ物にならない程のエクストリームな環境に驚かされました。
佐渡の生活でストレスを感じるような都会育ちの私には到底住めそうにない!

人口が5万人の佐渡に対して、140人の飛島はレベルが違う…!
高齢者ばかりの島で、学校に通う子どもは中学3年生の男の子1人だけ。医者は週一のみの来島。

本作は、そこに住む人々の日々の営みや、インタビューで構成されます。
島に住み続けてきた者から、島へIUターンしてきて新しい取り組みを始める若者まで、そういった人々姿から何かしら感じることがあると思います。

本作通じて、私も自分の価値観を見つめ直すきっかけを得ることができました。

本来、衣食住を確保することは大変なことで、飛島の人々のような営みを人は何千年も続けてきたわけだけれど…
衣食住が簡単に手に入る現代では、人々が自分の人生に生命維持以上の意義を求めるようになっているように感じます。

それが物質的により豊かな暮らしだったり、自己実現だったりするわけですが、そういった願望を持つと、他者と自分を比較するという落とし穴にハマりやすくなるように思います。

周りと比べて自分を否定したり、人から評価される自分でいないと焦燥感を感じたりして苦しくなってくる。
一見人生がうまくいっている人も、そういった苦しさから逃れるために、優秀であれるように努力しているだけかもしれない。

現代の「生きづらさ」って、元を辿れば衣食住が簡単に手に入るところにあるんじゃないかと思いました。
私含め、都会で生きる人は人生に多くを求めすぎなのかもしれません。

ジジババのインタビュー、まじで聞き取れなかった。笑

飛島、いつか島好きの夫と訪れてみたいです。
ヒロオさん

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