色々見聞きした評判通り、とてもよかった。アフガニスタン難民であり同性愛者のWマイノリティ、アミンの半生を描いたアニメドキュメンタリー。アニメ=フィクションの先入観がなぎ倒さた。
日本で暮らしていると隣人として想像しづらい「難民」という言葉に、無数のアミンが含まれていることに気付かされたし、本作でアニメという表現がもたらす効果の一つに挙げられた「本人の身元が特定されにくく、身の安全を守る」というのも目から鱗だった。その視点を聞くまで想像すらしなかった自分が恥ずかしい。
冒頭でアミンが家族のことを語った際の齟齬やパートナーにも話せなかったことが、物語の進行と共に理由が明らかになるが、自分の想像力の限界と現実の難民生活の過酷さを突きつけられた。ミステリーの脚本ではなく現実の話。そんなに昔の話でもないし、今も続く話。難民受け入れに非常に高いハードルを設けていることで世界的に有名な日本政府の関係者にも見てほしい。
