今では『ラーゲリより愛を込めて』とか『糸』とか…メジャー作品ばかり手がけている瀬々監督のピンク映画。
人の手に触れるとその人の未来のビジョンが視えてしまう女。
女は能力を知られると忌み嫌われ、ひっそりと消えていった。
やがて覗き部屋でのストリッパーとなり、静かに寄り添ってくれる恋人もみつけ、やすらぎを得るようになるが…。
この運命が視える女に出会い、運命に疑問を持つようになった男。
「初めから何もかも決まっているのか…
じゃあ誰が決めたんだ…」
やがて彼は女を今の場所から救いたいと願う。
しかし、救いたいという思いは男の勝手なエゴで…
図らずしも人を覗いていたばかりで傷ついていった彼女は、逆に自分が見られるという行為に安らぎを得ていたのだった。
そして訪れる運命の皮肉。
自分自身の運命は見えない彼女がとった行動は運命に従っていたものだったのか。
そして気づくと男は決められた運命に粛々と従って生きているのだ…と気づく場面はとてもビターな後味。